出版社内容情報
『春秋左氏伝』は五経の一つ『春秋』に対する「伝」すなわち解説で,春秋時代(前七二二‐四八一)を中心とする中国古代の史伝説話の宝庫である.中国では準経書として扱われ,わが国では古来歴史や文学のつきせぬ源泉でありつづけた.名文をもって鳴る『左伝』全文をここに格調高い現代語訳でおとどけする.地図・系図・索引完備.
内容説明
『春秋左氏伝』は『春秋』の「伝」すなわち解説で、春秋時代(前七二二‐四八一)を中心とする中国古代の史伝説話の宝庫である。中国では準経書として扱われ、我が国では古来歴史や文学の源泉であった。その全文の格調高い現代語訳。地図・系図・索引完備(全3冊)。
目次
隠公
桓公
荘公
閔公
僖公
文公
宣公
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
本書が紀伝体で王たちを聖人とし臣下を英雄として褒め称えたなら、戦争の描写は王の私利欲望を描かず、政争も怨恨と報復に満ちた記述にはならなかったろう。年号に従って淡々と王たちの栄枯盛衰を編年体で並べた「春秋経」の著者孔子は、祖国魯やその周辺国家の姿勢を正す意図で書いたとされる。現代語訳の本書だが、左丘明の注釈すら簡潔である。一方、春秋時代の12人の王の名を章立てした本書は歴史書の構成だが、人事だけでなく災害も天文の運行で占う巫祝社会がベースにある。本巻は隠公、桓公、荘公、閔公、僖公、文公、宣公の7章を収める。2025/11/16
6 - hey
5
関羽の愛読書として有名な本。関羽が好きなので読み始めました。たとえ強国でも礼節を忘れてはいけないということが繰り返し書かれてある。悲惨な最期を迎えることの多い当該期の参謀の中で、管仲が天寿を全うできたのも、高位にあがっても礼儀を正しくしていたから。2012/11/10
びーちゃん
5
中国古代春秋時代の歴史。下巻に解説あり。解説にも述べられているように,断片的記述なので最初から全部読み通すことは難しい(一応とばしとばし全部読んだ)。そこで親切にも,解説に重要部分のページ数を記載してくれている。管仲,子産,晏嬰,伍員が良かった。評価52011/07/10
ヴィクトリー
3
孔子が著したとされる簡潔すぎる経(本文)に、左丘明が伝(解説)を付したとされる春秋左氏伝。史記の紀伝体に対して、こちらは編年体。魯の君主の何年に何が起こった、と書かれている訳だが、ある一つの事件が年をまたいだ場合も文章が分割されるため、なかなか読みづらい。ただでさえ経と伝に分かれているのに。下巻の解説で訳者が「決して通読して面白い書物ではない」と書いているが、面白くないことはないけど、読みづらいのは間違いない。2015/01/19
Yuki.Ogawa
3
ハイライトは斉の桓公が覇権を握る、晋の文公が城濮の戦いに勝利して覇権を握る、晋が邲の戦いで敗北して楚に覇権が渡るも士会は一兵も損せず存在感を示す、こっそり晏子(晏嬰)の父晏弱登場、楚の荘王の鼎の軽重を問うなど。桓公は小~中規模な戦勝を繰り返しながら筋を通して覇権をとった印象。文公は城濮の戦いで北進する楚を打ち破って一気に覇権を握った印象。でも個人としては桓公のほうが剛毅で文公のほうが穏健な感じ。従う家臣も桓公は管仲ばかり目立つが文公には狐偃や趙衰、先軫など優れた臣が多い。そして忘れてはならぬ介子推。2011/05/25




