出版社内容情報
「孝は徳の本なり、教えの由りて生ずる所なり」──孔子がその高弟曾子に、「孝」について説いた『孝経』。「孝」とは何か、「孝」によってあるべき世をいかに実現しうるかを語る本書は、『論語』とともに読み継がれ、東アジアの伝統的な道徳観の基底をなす、儒家の経典の一つ。曾子学派が師の言動と思想を伝える『曾子』を併収する。
内容説明
「孝は、徳の本なり、教えの由りて生ずる所なり」―孔子とその高弟曾参(曾子)が、「孝」の意義を論じた『孝経』。「孝」とは何か、「孝」によってあるべき世をいかに実現できるかを語る本書は、儒家の経典の一つとして、『論語』とともに読み継がれ、東アジアの伝統的な道徳観の基底をなした。曾子学派が師の言行を伝える『曾子』を併収する。
目次
孝経(開宗明義章第一;天子章第二;諸侯章第三;卿大夫章第四;士章第五 ほか)
曾子(曾子立事;曾子本孝;曾子立孝;曾子大孝;曾子事父母 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ウミ
1
ちょっといろいろあって購入。 やはり現代では理解しがたい部分もあれど、表紙に書いてある『東アジアの伝統的な道徳観の基底をなした』と言われるだけあって大部分はまあ素直に飲み込めはしていくんですけども、目上の人、親についての態度には少々首をかしげるようなことを書いてありました。ただ、思っていたよりは絶対服従という訳ではなく、諫めてそれでも聞き入れられないと離れろと書いてある部分もありました。しかし愚直についていくのが正しいともあるのでTPOに会わせろということかもしれません。2024/10/28
デューク
1
2000年以上の時を経てもなお読み継がれる、君子としてのあるべき姿とは。 曾子は孔子の高弟の一人であり、努力の人であった。この孝経・曾子は、孔子以後の儒教思想の展開を伝える史料である。それと同時に、論語と並ぶほど広く読まれ、東アジアにおける道徳観の基となった書である。不善に対したときどうすべきか、人の言葉を聞くときの注意点、栄達よりも大事なこと、自分を受け入れる人がいないときにすべきこと、などなど。時を超える言葉の力とは、このことであると実感させられる。読めばきっと、心に残る一言が見つかる一冊。おすすめ2024/06/14
mfmf
0
孝経の思想は(少なくとも今の日本では)今様ではないが、地域によっては何千年と根付いてきたものであり、多様性を考えるうえでは避けて通れないものである。人権や自我の尊重の裏返しに、孝経の思想(簡略化すれば親を敬愛すること)が今日ではおざなりにされているけれども、それは進歩的というより、異なる思想にただ乱暴に洗脳(上書き)されているだけなのではないかとさえ思う。とはいえ、孝経や曾子は親を絶対視するところはあって今日からすればやはり受け入れがたいところはあるのも確か。2025/02/13