出版社内容情報
明治四年,岩倉使節団は新たな統一国家創出の意欲に燃えて米欧十二カ国歴訪の旅へ出る.建国百年のアメリカ,貿易・工業立国の「島国」英国,パリ・コンミュン一年後のパリ,ビスマルク治下プロイセン等.書記官として随行した久米の貪婪で精彩に富んだ筆は,議会から牢獄,黒人街,ジャーナリズム,手話点字,花街にまで及ぶ.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シンドバッド
7
一級品の資料であることに間違いがない。しかし、カタカタが大の苦手であり、読むのに一苦労。5巻まで読み終えることができるか甚だ疑問。 ここまで詳細な記録を残したことが、明治期の飛躍的経済の発展の一助になった。2015/05/07
pika
0
イギリスは既に工業化が進んでたらしい2013/12/19
にゃん吉
0
第2巻はイギリス。一行はロンドン、リバプール、ハイランド等を視察します。議会を見学し、議会や選挙の概要が記録されます。議員の大半は決議するだけという興味深い観察があります。万博の象徴である水晶宮、古城なども視察します。適宜の挿絵もあり、名所案内のようでもあります。工場見学した鉄、ガラス、ビール等の工程の詳細が記されており、当時の工業技術に興味があれば、面白いかもしれません。ハイランドでは「「キリカムケル」ノ渓」等の自然描写があります。美文ですが、漢文の力か、中国の深山幽谷に遊ぶといった趣も感じます。