出版社内容情報
1897(明治30)年12月1日,日本最初の近代的労働組合,鉄工組合が結成された.その中心的な役割を担い,生協運動の生みの親でもあった高野房太郎(1869-1904)が,35年余の短い生涯の間に執筆した論稿を集成.アメリカ労働総同盟会長ゴンパーズ宛の英文書簡など労働運動創世期の雰囲気を伝える貴重な記録.
内容説明
1897(明治30)年、日本最初の近代的労働組合、労働組合期成会鉄工組合が結成された。その中心的な役割を担い、生協運動の生みの親でもあった高野房太郎(1869‐1904)が、35年余の短い生涯の間に執筆した論稿を集成。アメリカ労働総同盟ゴンバーズ宛の英文書簡など労働運動創成期の雰囲気を伝える貴重な記録。
目次
1 英文書簡編(助言を求めて;返信に感謝して;寄稿の勧めに応えて ほか)
2 英文通信編(日本における労働運動;日清戦争と日本の労働問題;日本の労働者状態 ほか)
3 日本文編(米国桑港通信;ヤンキー;北米合衆国の労役社会の有様を叙す ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hidekazu Asai
2
著者は、憲法委員会のメンバーであった高野岩三郎の実兄である。その実兄が日本で最初の労働組合を作ったのである。 著者・高野房太郎はアメリカに住んでいるとき、労働運動に目覚め、アメリカ総労働同盟の創始者・ゴンバーズの知己を得て、日本でのオルグ担当を任せられる。 著者は労使協調路線であり、急進的な社会主義と袂を別つ穏健的な労働組合を目指していた。 その労働組合ができる苦闘や、当時の労働者の生活ぶりがよくわかる貴重な資料である。 労働組合について一家言がある人間は必携の書物である。2019/04/14