出版社内容情報
札幌農学校出身の地理学者志賀重昂(一八六三―一九二七)が,古典文学からの豊富な引用と,地理学の術語を駆使し,日本の風土がいかに欧米に比べて優れているかを情熱的な文章で綴った本書は,日清戦争の勝利と三国干渉という時期に刊行されてベストセラーとなった.日本人の景観意識を一変させるとともに日本の近代登山の先駆けとなった著.
目次
1 緒論
2 日本には気候、海流の多変多様なる事
3 日本には水蒸気の多量なる事
4 日本には火山岩の多々なる事
5 日本には流水の浸蝕激烈なる事
6 日本に文人、詞客、画師、彫刻家、風懐の高士に寄語す
7 日本風景の保護
8 亜細亜大陸地質の研鑚日本の地学家に寄語す
9 雑感花鳥、風月、山川、湖海の詞画について
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稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miyatatsu
13
どれだけ日本が恵まれた自然環境に囲まれているかが本書を読んで理解できましたし、日本を見つめ直す良いきっかけになったと思います。2018/11/19
HANA
12
明治の地理学者の本だが、風景を学術ではなく美的方面から見ることを説いている。内容の大部分を占めるのは日本の名山や名所の紹介。神社仏閣の紹介もほどよくされており、漢文調の美文で紹介されているので読みながら行ってみたくなる。それにしても明治の人の漢文の素養には目を見張るものがあるなあ。2011/12/29
tochork
4
とても面白そうな雰囲気はあるんだけれど、残念ながら挫折。漢詩が読めるようになったら再度挑んでみたい。。。2011/07/09
塩崎ツトム
3
学生時代に読むように薦められて、それっきりになっていたのを思い出したかのように買ってみた。たしかに国粋主義的な臭いの濃厚な内容だけど、ぼくは時はまさに啓蒙主義!大衆の手元にも学問を!という気概を感じられた。2012/12/21
AR読書記録
2
文調的にムズイのでしっかり読めていません.が,まあ読めた範囲でいうと,とにかく“日本すごいんだぜ! すごい日本の風土に育てられた日本人すごいんだぜ!”と熱弁されているのはわかる.あと山登りのハウツー部分おもしろい.山にあるものでけっこういろいろできる.足が痛くなってきたら靴下の右左を入れ替えろとかはちょっと試してみたいな.川はこう渡れ,とかな.そして,富士登山記および木曽川川下り記はとても興味深かった.2013/06/10
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