出版社内容情報
明治三年,教を乞うた酒井忠篤らに説いた『南洲翁遺訓』をはじめとして,佐藤一斎『言志四録』から自ら撰び座右の誡めとしていた『手抄言志録』,また折りにふれて天地自然を語り,人倫の道・経国の要諦を示した問答,書簡のほか,遺教・逸話などを収めて,この巨人の精髄を伝えるとともに,さまざまな面に光をあてようとする.
内容説明
明治3年、教えを乞うた酒井忠篤らに説いた『南洲翁遺訓』をはじめ、佐藤一斎『言志四録』から自ら撰び座右の誡めとしていた『手抄言志録』、また折りにふれて天地自然を語り、人倫の道・経国の要諦を示した問答、書簡のほか、遺教・逸話などを収めて、巨人・西郷隆盛(1827‐77)の精髄を伝えるとともに、そのさまざまな面に光をあてる。
目次
1 遺訓
2 手抄言志録
3 遺教
4 遺篇
5 遺牘
6 逸話
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
35
漢文あるいは和漢混合文であるので辞書を用いながら読む必要がある。ちなみに、西郷が引用している言志四録を書いた佐藤一斎は佐久間象山や渡辺崋山、横井小楠の師匠なのだというから相当な化け物だ。 「幾歴辛酸志始堅。」P6 辛い思いを何回もすることが志を堅くすることになる。西郷隆盛がいうと異常な説得力がある。 「租税を薄くして民を裕にするは、即ち國力を養成する也。故に國家多端にして財用の足らざるを苦むとも、租税の定制を確守し、上を損じて下を虐げぬもの也。」P9 税を高くすることは国を破滅に導くのだ。2022/10/11
軍縮地球市民shinshin
14
庄内藩の人が西郷隆盛の教えを書き留めた「西郷南州遺訓」とその他の書簡やら逸話やせを集めた文庫。昭和14年1刷で所持本は2014年の第63刷。本文は旧字旧仮名で、なんで岩波は現行文に直さないのかなと思う。西郷は清廉の人で、奢侈贅沢を嫌い、清貧を愛したことがよくわかる。若い時に父親が借りた借金200両を明治4年に全額返済したのはいいが、長年の利子は少額のみで勘弁してくれと手紙で言っているのがまたいい。貸した板垣与三次は大赤字だったのでは?2019/01/17
クサバナリスト
12
今月のNHK 『100分de名著』の課題図書。解説のない本書だけでは理解が難しい。これから放送見ながら学習します。2018/01/06
閑居
10
明治維新を生きた豪傑、西郷隆盛の遺訓。「己れを足れりとせざるより、下々の言も聴き入るるもの也」など、現代でも通用するリーダシップの名言の宝庫。しかし、今日ではほとんど使われない古語も数多く登場する難解な一冊でもある。 なお、「手抄言志録及遺文」以降はつまらなそうなので読み飛ばした。2018/02/09
とみやん📖
10
漢文が多く意味が分からない部分も多々あるものの、とても面白かった。有名な言葉、エピソードが出てくると、これこれとしたり顔になってしまう。今、林真理子原作の西郷どんを大河ドラマで放映しているが、この人の大器量、魅力をどう描くのか。なかなか懐疑的になってしまう。2018/01/24
-
- 和書
- 観劇偶評 岩波文庫