出版社内容情報
老翁とその門下の問答を傍で聞き,仮名まじり文で記した,という形式で人間の道を説く.中国明末における儒・仏・道三教一致の思想の影響を深く受けつつ,宗教的な立場を根底として人倫を示し,平明に理を説いた教訓読み物としても広く受け入れられた.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トックン
0
藤樹は小林秀雄曰く近代学問の祖。儒教が如何に合理主義的な体系立った思想かを体充と翁の問答体で説く。藤樹は仏教を私に拘るという理由で目の敵にする。私に拘る者は概して「気随」になり慢心し、傲慢になる。儒教特に朱子学は理と気の二元論で理の周りに充満する気の払拭を目指す。儒教が仁(父母への孝)義(主君への忠誠)を重んじるのは己の誕生には親が組織には主君が不可欠であることの合理的説明のため。儒教は修身道徳のようなモラルではなく、当時の知の体系であった。梅原が真淵らを批判したのは儒教=テクスト主義だったからではないか2019/04/21
-
- 和書
- 基準原価計算精説