出版社内容情報
江戸中期,信州松代藩の家老恩田木工が窮乏に陥った藩財政の改革に成功した事蹟を筆録した書.正直・信頼・思いやりといった時代や体制を越えて通用する普遍的なテーマを平易な文章と巧みな構成で論じ,今日の政治のあり方,経営者の心構え,個人の生き方に多くの示唆を与える含蓄深き名著である.原本復元を試みた参考本を付す.
内容説明
江戸中期、信州松代藩の家老恩田木工が窮乏に陥った藩財政の改革に成功した事蹟を筆録した書。正直・信頼・思いやりといった時代や体制を越えて通用する普遍的なテーマを、平易な文章と巧みな構成で論じ、今日の政治のあり方、経営者の心構え、個人の生き方に多くの示唆を与える含蓄深き名著である。新たに原本復元を試みた参考本を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
10
「甚だ無慈悲なる致し方なり。公儀にあるまじき事なり。この段は大暗鈍(おおたわけ)ともいふべきなり、役人は無慈悲なり」(45頁)。今の官僚も、ボーナス当然、税金を屁とも思わなければ、そうした謗りを免れないだろう。後半の参考本は原文に近づけたようだが、余計にわからない。前半の脚注付きの文章で理解しつつ、補注で概念などを確認するしかないのだろう。2013/08/14
ネコ虎
8
英邁な若き松代藩主真田幸豊が藩財政立て直しのため、若き家老恩田木工(もく)を起用するところから話は始まる。その前に如何に優れた藩主であるかのエピソード「飼い鳥」について語られる。鳥を飼う趣味を家来から勧められ、大きな鳥小屋を座敷内に作らせる。家来を鳥に見立てて、その中で寝食をさせ、外に出さない。出たいか。鳥の気持ちがわかったかと家来を諭すというお話。財政立て直しの全権を与えられた木工、妻も子も親戚とも義絶して本気さを示す。から始まって種々の改革を示していく。それは、正直、信頼、節約、精進の言葉に表される。2016/03/26
6 - hey
8
いきなり理不尽に一家離散を宣言する恩田杢におどろかされたけれど、その理由を聞いて納得した。なんともストイックな人ですが、改革者たる者、このくらいの覚悟が必要なのですね。2012/11/27
零水亭
6
(初読は25年以上前)最近、政治家の「あるべきやうは」乃至政治そのものについて考えるところが多いです。内村鑑三『デンマルク国の話』と共に古本屋さんで探して、また読みたいです。
Yoshinori Osaka
6
時代劇を見ているような面白さがあります(^^)「日本人とユダヤ人」の中で紹介されていたので読んでみました。2014/12/21
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