出版社内容情報
一身の切合いに勝ち数人の戦いに勝つのが武士というものだ,それには,といって武蔵(一五八四―一六四五)は,構え方,足の踏み方,目のつけ方等をつぶさに述べ,相手の強弱を知って先にしかけよとも説く.本書が長く読みつがれてきたのも,剣法の奥義が,具体的・合理的に書かれているからに相違ない.読み易さに意を用いた.
内容説明
一身の切合いに勝ち数人の戦いに勝つのが武士というものだ、それには、といって武蔵(1584‐1645)は、構え方、足の踏み方、目のつけ方などを具さに述べ、相手の強弱を知って先にしかけよとも説く。本書が長く読みつがれてきたのも、剣法の奥義が具体的で納得のゆくように書かれているからに相違ない。新校訂を行ない詳しい注を付して読み易さに意を用いた。
目次
地之巻
水之巻
火之巻
風之巻
空之巻
兵法三十五箇条
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
100
61
解説にもある通り抽象的で精神論に偏っているけど、その分、今でも活かせる教訓が多い。特に火の巻はいろんな場面で応用できそう。2022/03/20
コウメ
59
兵法を読めということが分かった。兵法を学べば、士農工商を抜け出すことができる。ほとんど古典で現代文字じゃなかったから難しい2019/11/03
Y2K☮
43
様々な道を学ぶ中で一つの己の道を磨く。状況に素早く対応する為に特定の型を持たない。自分のペースで先手必勝。敵の拍子を崩し、間をずらし、言葉や気合による威圧で力を出させない。敵の心理になり切り、意図せぬ処から攻めて焦らせる。小手先や見た目重視の技より実を取る。どうしても乗り切らねばならぬ難所が必ず来る。船頭が波を読む様に局面と己の能力を正しく判断し、速過ぎず遅過ぎずの緩急。そこを越せば勝利は目前。だが決着がつきそうになければ一度組み手を放し、より損害の少ない戦法を探す。何事にも執着をしない万里一空の平常心。2016/05/29
r.ramone
40
なかなか啓発される一冊。全てはどんな局面でも確実に勝利を得るため。目的と手段の倒錯を防いだり、商売敵や社内でのライバルを出し抜いたりといった面でも参考になるかも。2020/11/04
壱萬弐仟縁
30
原文、脚注がメイン。量は少ないものの、音読していくと小気味よさもある。地之巻で、兵法の戦に、敵の拍子を知り、智恵(物事の理をさとり、 正邪を弁別する心のはたらき)より発して勝つ所也(35頁)。火之巻で、そとうごしゆ(鼠頭午首)といふ事とは、転心法の一つ。鼠の細心さと、牛の大胆さを兼ねる(108頁)。先手必勝の宮本先生。先手が最上と考えた。後手の心を嫌った(123頁)。兵法35箇条。㉔景気を知ると云事。 場の景気、敵の景気、浮沈、浅深、見知べき。前向いても、後向いても、勝つ。2014/11/06