出版社内容情報
「花は4,5日しかもたぬが,わが培った薔薇園(ゴレスターン)は永遠に咲き誇ろう」といわれるサァーディー(1213頃‐1292)の代表作.ペルシア本国はもちろん,北部インドや西パキスタンでも広く読まれてフランス啓蒙主義者の中にも多くの支持を得た.古来ペルシア語界の模範といわれる流麗な詩句は,日本語に移されても馥郁と香るであろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん
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同じイスラム圏だしアラビアンナイトみたいな感じかなーと思ったら、絢爛な享楽性は微塵もなく、むしろ敬虔で禁欲的、質実剛健と思いやりを説くような真面目な本だったので驚いてしまった。彩りに乏しいと言うより、根底が枯れてるような感覚。ペルシャ詩人というものは皆こうなのか、それともこれを記した時期のサァディーが特別だったのか知りたい。2019/03/17
龍國竣/リュウゴク
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イランの詩聖による代表作。散文と韻文で書かれた教訓めいた八の主題からなる。イスラム教諸国では教科書、法典としても使用された本だが、その内容は冷徹なまで道徳観に貫かれており、その一方で少年愛も赤裸々に綴られる。「わが培ったばら園は永遠に咲き誇ろう」。2013/05/29
megane
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中世ペルシアの詩集。ペルシアの詩は言い回しが素敵なので翻訳でも楽しめる。ショーペンハウアーの本に取り上げられていたので興味を持った。8章立てで沢山のイソップ童話のような小話の後に散文詩が続くという物語形式となっている。訓戒話だがユーモアもありおもしろかった。以下目次 一章王侯気質について 二章托鉢層の行状について 三章足るを知るの美徳について 四章沈黙の益について 五章恋愛と青春について 六章老年と衰弱について 七章教育の効果について 八章社交場のいましめについて なお本文は旧漢字新仮名遣いで詩句は文語2011/05/06