出版社内容情報
イスラム世界の民話・伝説が奔放不羈な空想の翼にのって燦然と花開いた説話の饗宴アラビアン・ナイト.恋と不思議と冒険の物語はもちろん,笑話,寓話,艶笑譚,武勇談に史話,逸話,ピカレスクから箴言警句まで,物語の愉しみが満ちあふれている.文学的香気豊かなマルドリュス版の全訳.カバーはヴァン・ドンゲンの絵.
内容説明
盗みと詐欺の達人がその腕をみこまれて警察の隊長にとりたてられたと聞き、自分の評判をたてようと老婆ダリラがくわだてた悪だくみの数かずとは?バグダードの巷を舞台に、老若貴賤、男と女が入り乱れての無類に愉しいピカレスク「女ぺてん師ダリラ」の物語。
目次
黒檀の馬奇談
「女ぺてん師ダリラ」とその娘の「女いかさま師ザイナブ」とが「蛾のアフマード」や「ペストのハサン」や「水銀のアリ」とだましあいをした物語
漁師ジゥデルの物語または魔法の袋
アブー・キールとアブー・シールの物語
「匂える園」の道話
陸のアブドゥッラーと海のアブドゥッラーの物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
16
図書館本。今回も面白かったです。全13巻なので折り返しを過ぎましたね。また、SS(道話と言うそうですが)も掲載されており、そちらは教訓的な話でした。ゲラゲラ笑っても最後まで読むとなるほどねってなります。でもね、やっぱり変なんですよねwなんで盗みと詐欺の達人が警察長官になって、その警察長官を騙した詐欺師が役人に取り立てられるのでしょうw?あれか?野放しよりはマシってこと?それにふたつ名が変wなんで蛾とか水銀とかペストなのw?どっからどう聞いても悪人の名前なのに、警察長官ってwやっぱり古代アラブは神秘的ですw2018/11/03
アドソ
13
偶々だろうか、この巻は悪人の話が多かった。勧善懲悪の寓話かというとそうでもない。悪人は結局制裁を受けることもあるけれど、善人も結局死んでしまったりと、なんだか釈然としない。どんなにひどい悪人がいてもあなただけは善人を貫き通しましょう、王様はそんなあなたが好きですよ、的なメッセージなのか? 漁師ジゥデルの話と、海陸二人のアブドゥッラーの話がよかった。日本人が予想しないような展開になるのがおもしろい。2019/07/28
訪問者
5
この巻には有名な「黒檀の馬奇談」、「アブー・キールとアブー・シールの物語」を収める。だが一番面白いは「女ぺてん師ダリラとその娘の女いかさま師ザイナブとが、蛾のアフマードやペストのハサンや水銀のアリとだましあいをした物語」で、これは傑作ノワール物語。2022/12/13
M K
3
王様は誰でもすぐ偉くしてしまう。たいした人じゃなくても大臣とかにしてあげるから、ほかにいい人いなかったのかなとか思って話に集中できなかったりする。2020/04/18
fourthwindow
2
この巻は読み易く、面白く感じました。指輪をこすると出てくる魔物がいいですね。2019/07/18