出版社内容情報
イスラム世界の民話・伝説が奔放不羈な空想の翼にのって燦然と花開いた説話の饗宴アラビアン・ナイト.恋と不思議と冒険の物語はもちろん,笑話,寓話,艶笑譚,武勇談に史話,逸話,ピカレスクから箴言警句まで,物語の愉しみが満ちあふれている.文学的香気豊かなマルドリュス版の全訳.カバーはヴァン・ドンゲンの絵.
内容説明
勇猛果敢の若き王子カンマカーンが登場。イスラム軍・キリスト教徒軍の最後の対決が迫る。前巻にひきつづいて語られる長篇物語の終幕の後は、孔雀や烏や狐など、小さな動物たちの語りだす知恵の数々が、さながら小粒の真珠のようにきらめく寓話集「鳥獣佳話」。
目次
オマル・アル・ネマーン王とそのいみじき2人の王子シャルカーンとダウールマカーンとの物語(続き)
鳥獣佳話
美しいシャムスエンナハールとアリ・ベン・ベッカルの物語
カマラルザマーンとあらゆる月のうち最も美わしい月、ブドゥール姫との物語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
59
若き王子カンマカーンが登場して、オマル・アル・ネマーン王たちの長い長い物語が終わった。でもこれ、一冊以上も使って一つの物語にする必要があったのか疑問だ。短編数編で構成される「鳥獣佳話」はどの話も捻りもオチもなくて、で?と突っ込みっぱなしで読んでいてしんどかった。あとは悲恋が一編と女鬼神と鬼神が好き勝手やってしまった結果、少女小説早送りみたいな大団円の物語が一編。面白かったけど、四巻まで読んでくると似たような話が出てきて混乱する。この時代はこういう筋書きが好まれたのかしら。2021/02/07
ミュポトワ@猫mode
18
図書館本。なんか今回も時間がかかりました。結構面白いのに不思議…この巻で3巻の初めから続いていた長編が完了します。1巻半ってちょっと長すぎ。図書館で借りているので、3巻の内容を思い出すのに苦労しました。この巻はその長編と閑話休題的な動物のお話しと2話載ってます。その最後の話が秀逸でw鬼神と女鬼神が寝ている男女の枕もとで喧嘩するっていうねw起きないからってやりたい放題しすぎだろw久しぶりに聴きましたよ「これでもくらえ!」ってwこんなにトンデモ話が多かったんですねwここまで読んで面白さを再認識しましたわw2018/09/25
アドソ
13
前巻から続く「二人の王子」の話から。もはや一つの話である必要性すら疑わしいほどの激しい入り組み方。途中「鳥獣佳話」で一休み。次に、王の愛妾とどこかの王子が恋に落ちて二人とも”焦がれ死に”する話「美しきー」。絶世の美男美女がついに結ばれる「カマラルザマーン」が、この巻では一番面白かった。にしても、ドッキリ的な仕掛けを好むのは回教圏の標準なの? 吉報なら早く知らせてあげればいいのに、わざわざ無実の罪で逮捕するようなまねして連行してきてから「パンパカパーン、今日からあなたは王様です!」的な。2019/03/07
栄吉
4
★★★☆☆ ちまちま読む。皆んな惚れっぽいなぁ。ここまでしか手元にないので、続きはまだまだ先になります。気になる…。2025/03/27
訪問者
3
第130夜から第236夜まで。「カマラルザマーンとあらゆる月のうち最も美わしい月、ブドゥール姫との物語」は鬼神による美男美女の逢引という、これまでにもあった設定ではあるが、シャハラザードが言う新式というのが面白い。2022/12/08