出版社内容情報
スイスのアンデルセンと呼ばれたヨハンナ・スピリ(1827‐1901)の数多い著作の中においても,この一篇はもっとも代表的なものとされている.アルプスの野花のように美しくて素朴なハイジやペーテルは,すべての少年少女たちに深い親愛を感じさせるとともに,その優れた芸術的価値は,なんぴとの厳正な鑑賞をもけっして失望させないであろう.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
10
「アルプスの少女ハイジ」の原作。ということで、胸の中にしっかり根を張っているアニメ版と比較しつつ読んでしまったのだが、アニメ製作陣の力量の高さが感じられた。とにかく絵になる描写を突き詰めたのが良く分かる。印象的なのはハイジ(本書ではハイヂ)が山小屋に向かうシーン。厚着を脱ぎ捨てていく描写は、文章と映像のフィクションを比べる際の好例だろう。人物造形の変更も面白い。一面でよりウェットに、他面で(特にキリスト教色を薄めて)より大らかで楽天的に。つまりは製作陣の意図する子供向けという方向性が理解できる。2017/08/23
しそゆかりうめこ
1
こどものころアニメでみたわたしは無神経でガサツと、無邪気に大変な反発心を抱きあの声をきくと嫌な気分になった。口に出し白い目で見られた。どうしてこんなに心汚いんだろうと思った。だけど本当のハイジはここにいた。こんなにも天使のように明るく希望にあふれ愛情を惜しみなく配るようなハイジが神様にだけ本当のことを言って心を病む場面はつらかった。神様は本当に必要な時に願いを叶えてくださる。じっと我慢するハイジが健気でとてもいとしかったし、おじいさんと再会する場面は感動のあまり数日本を開けなかった。ハイジまたね。2019/08/19
広瀬
1
「若草物語」のように道徳的な教訓もあるけれど、のびのびとしたハイジが伝わってきて期待通り楽しい。1931年に訳された本なだけあって、古い漢字や言葉遣いが多いところもまた、面白い。2011/02/08
ナオング
0
アニメが好きなので読んだ2013/10/01
Chunko
0
「ハイヂ」です。岩波文庫の復刻なので、旧仮名ですごい。アルムおぢさんだもん。泉鏡花のおかげでだいぶ旧仮名に慣れていてよかった。しかし原作にはヨーゼフはでないんだな(笑)1994/10/07