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岩波文庫
ヘッダ・ガーブレル

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  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003275054
  • NDC分類 949.62
  • Cコード C0198

出版社内容情報

ガーブレル将軍の娘ヘッダは美しく魅力的な婦人.暇で退屈だけれど自分では何をしたらいいのか分らない.そして何もしない.でも他人の成功には平静でいられない.強そうで臆病,望みが高いが平凡,気位が高いくせ嫉妬深い,複雑で矛盾した性格のヒロイン.1891年の初演以来,各国女優の意欲をそそる役柄の一つとなった.

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評価

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

53
今年の第七劇場の演目がこの作品だそうです。読んでギョッとした。ブルジョワ婦人のエゴと屈託を描いているかと思いきや、現在にも続く、自己実現の罠に嵌る人間を如実に表現していたから。主人公、ヘッダは人妻だが、学者である夫に満足していない。かといって自分には一人で生きていける財力も才能もない事を理解している。子供を産んだら夫の家に一生、縛り付けられるのに妊娠したかもしれない恐怖。かといって自分可愛さの余り、本音も言えやしない。そんな彼女の澱んだ鬱屈を打開し、好転すらもしうる状況が転がり込んでくるが…。2024/06/24

km

31
生きるには困らないけど、生きる意味が分からない精神的に渇いた女が破滅する様を描いた戯曲。精神の渇きが苦痛となっているが、責任を背負って生きる意味を見つけるとか、自力で解決しようとは毛頭思わない。だから暇潰しに人の人生を壊そうとするめちゃくちゃな女だが、原因となっている渇き自体はそれを感じない平凡な人間とヘッダを区別する価値のある苦痛だと思う。美しい何かを遠くに感じながらも、汗をかいて獲得するには甲斐性が足りない。ヘッダは自分で人生にけりをつけるが、ヘッダのやり方が渇いた人間の答えなのかもしれない。2017/09/22

マリリン

24
当時の時代背景を思うと、ヘッダの最後の選択はこれしかなかったのか。イプセンの作品を読んだのは、10代の頃『人形の家』を読んで以来。当時この作品を読んだなら、また違った感想を持ったかもしれない。2018/06/05

SIGERU

14
ヒロインであるヘッダの奇矯に捩れた行動には、将軍だった亡き父親の桎梏が看過できない。学者である優しい夫への無意識な軽蔑と、父将軍が愛用したピストルへのこだわりや、こめかみを撃って潔く自死することへの固着は、強権的な父性原理への依存を引き摺っている。20世紀文学であれば、ヘッダは「宿命の女(ファム・ファタル)」として男性を滅ぼしもしたろうが、「家庭」という因習が未だ支配的だった19世紀末に生きた彼女は、心の行方を見失い、自らを滅ぼしてしまう。「ヘッダ」は、「人形の家」「幽霊」に続いて読んだイプセン戯曲。2017/11/17

有沢翔治@文芸同人誌配布中

9
テスマンの研究テーマが「中世の家内工業」……。読みてぇ……というかむしろサシで飲みてぇ……、と思った僕はきっとヘッダ・ガーブレルのようにはならない。きっと旨い酒が飲めそうだ。2015/04/18

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