出版社内容情報
アンデルセン(一八〇五―七五)の童話は,決して口あたりよい砂糖菓子のようなものではない.「私が書いたものはほとんどが私自身の映像である」と『自伝』のなかで述べられているように,どんな空想的な話のなかにも,作者の生きた波瀾の人生の一片が封じこめられていて,おとなであれ子どもであれ,読む者の心を強くゆさぶる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
17
知らない話ばかりの中「プシケ」「カタツムリとバラの茂み」「茶びん」「民謡の鳥」が良かった。6巻を読んだのは「プシケ」目当て。昔「アンデルセン物語」というアニメで見て衝撃的だったので読んだのだが…全然違う?! アニメは人が愛するのは過去だけという残酷さや、思い出と違う存在として生きているからこその完全な喪失、を表現したような話だったけれど、原作は人間の儚い一生の中で永遠に刻まれるもの、という感じ。人間は永遠の中で生きられないっていうのと、永遠の中で生きられなかった人間、ってくらいに違う。どちらも素敵だけど。2020/10/02
風太郎
7
人の物語だけでなく、動物や、物の擬人化された話も多いです。それらは動物や物から見た人間の世界がどうなっているのかという形で描かれており、アンデルセンが人間社会を冷静に、批判的に観察していたのではないかと考えさせられます。信仰に基づいた話もありました。自分の記憶ではアンデルセンは順風満帆な人生ではなかったはずです。一人の力では、どうにもならない人生。どうにかするためには、神にすがるしかなかったのかもしれません。そうした経験がアンデルセンにそれらの物語を紡がせたのでしょう。次は最終巻の7巻に取り掛かります。2017/12/21
takeakisky
1
これまで以上にデンマークの歴史、偉人に関する話が多く、興味を持続させるのに難儀する。ともあれ次が最終分冊だ。2024/02/25
茅野
1
デンマークの歴史を語った『名付け親の絵本』など。 『門番の息子』では妙にロシアが持ち上げられているので、1864年以降に書かれたな、と思ったら1866年の作とのこと。やはり。2023/11/18
あいちょ。
1
『人生で影響を受けた本100冊』登録。2020/03/19