出版社内容情報
アンデルセン(一八〇五―七五)の童話は,決して口あたりよい砂糖菓子のようなものではない.「私が書いたものはほとんどが私自身の映像である」と『自伝』のなかで述べられているように,どんな空想的な話のなかにも,作者の生きた波瀾の人生の一片が封じこめられていて,おとなであれ子どもであれ,読む者の心を強くゆさぶる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
21
まだ2冊目だけれど、アンデルセンの童話は、面白いお話とそうでないお話の差が激しいなと感じた。 有名な「マッチ売りの少女」はこんなに短いお話だったっけ・・・。だからこそ感動するのかもしれないな。 「みにくいアヒルの子」は、仲間からもっと虐待を受けていた記憶があるけれど、原作はそうでもなかったんだ。 ★★★2017/04/03
マッキー
13
「赤いくつ」と「みにくいアヒルの子」は懐かしい。昔絵本で読んだものと比べると、この本と比較してずいぶんと端折られてるなぁ、と感じた。何の省略も脚色もされてないこっちのほうが読んでていろいろ考えさせられる。2015/09/03
樒
3
お話の題材とならないものなどないのだ、と、アンデルセンの童話を読み連ねていると思います。身近な全てに対する興味と洞察と、そこから膨らむ空想力を感じます。生誕205年の日、と、googleの画面で知り、読んでしまいました(笑)2010/04/02
茅野
2
『ナイチンゲール(夜鳴き鶯)』、『みにくいアヒルの子』、『雪の女王』、『赤い靴』、『マッチ売りの少女』などを収録した第2巻。アンデルセン童話は、グリム童話と違って「物悲しくも優しい物語」が多いけど、死んだ恋人の生首を植木鉢に入れて植物を育てる話が今の所一番猟奇。2023/10/26
paumi
2
キリスト教的な愛、信仰によって救われる話が多い。どんな罪人にも光がある。犯した罪に対して心から苦しみ悔やんでいると、ふと赦され救われる。老人が出てくる話も多い。その長く生きてきた経験や知識からくる威厳や寛大さがわたしの心に尊敬の念を抱かせる。死を目の当たりにした悟りは、神のそれに近いのでは?と思った。教訓的な話もある。能ある鷹は爪を隠す...的な。あったかくて切ない一冊。アンデルセンはやっぱり繊細なお方。2014/09/24