岩波文庫<br> かくれんぼ/白い母 - 他二篇

岩波文庫
かくれんぼ/白い母 - 他二篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 117p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003264119
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ロシア象徴派の詩人ソログープ(1863‐1927)は詩人としてよりも小説家として知られた.死の讃美者としてユニークな存在を認められた彼はいたずらに死を讃美したのではなく,生を愛すること余りに深きがゆえに,そうした外貌を示したのである.ここに収めた4篇は,いずれも少年の夢を描いた珠玉篇である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

shinano

13
ひとが誰しもが持ってしまう無意識(理性で制御しにくい指向)による心性的な行動への欲求での満足について、理性が成熟しきらない子供を主人公にしてそれが常習癖となる怖さと正常育成への影響を憂う母の苦悩を描き、そこへ幻想世界や異界観を織り混ぜた作品である。ひとが心性と理性の共存する生物であり、だからこその不幸があることを読者はいやがうえにも認識させられる。生命と精神疾患は相乗的であることの怖さを読む。それにしてもこの小説群の子供が可哀想なのは間違いない。理性がきかない、遊びの反復を求める幼女の死はいたましい。2021/02/14

藤月はな(灯れ松明の火)

10
「かくれんぼ」はなぜ、乳母や父親が止めたのかという理由をはっきりさせなかったために恐れを抱いたまま、かくれんぼをし続ける母親の痛ましさと「お隠れになった」子供の死がより、酷薄に浮き彫りとなっています。「光と影」はラストの一文で背筋が凍りそうになりました。2012/07/16

t78h1

2
娘が死に葬式をしているときも、娘がかくれんぼをしているのだろうと信じて娘をさがし続ける母親。そんな彼女に周りは何も言うことができない。ただ淡々と葬式が行われていく。そして彼女が娘を捜すなか、娘の遺体はゆっくりと運ばれていったのだった。 どこにでもありそうな物語だが、ソログープの文体がこの小説をどこにでもある物語にさせない。2010/11/10

ヴィオラ

1
レレチカ、可愛い、かくえんぼ(^_^)…いや、そんな話じゃないけども(^_^;)別に奇想でも幻想でもないけれど、良い作品集だと思います。2011/09/13

ピラックマ

1
ゾワッっとくる。残酷童話のような怖さと幻想美溢れる逸品揃い、影絵の話「光と影」が特に素晴らしい。確か中井英夫のとらんぷ譚にも出てきた記憶。もっと色々読みたいがソログープはどれも入手困難だし、1937年から改訂無しでフォントも荒く非常に読みにくい。旧かな漢字のせいもあって少女小説のような趣は捨てがたい魅力だが、新訳改訂版希望。2010/09/04

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