出版社内容情報
第1次大戦から10月革命にいたる近代ロシア最大の激動期,南ロシアのドンのコサックたちは,どのようにみずからの道を切りひらいたか.主人公グリゴーリーの悲劇的運命をたどりながら,さまざまな階層の人間を生きいきと描きだしたこの小説は,スケールの雄大さ,ストーリーの面白さと相まって,「戦争と平和」と並ぶ傑作と称えられている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソングライン
15
白衛軍は敗北し,多くのコサックたちはドンを離れ逃亡していきます。クリミアに逃れることを止めたグリゴーリーは赤軍に投降、赤軍として他国との戦いに参加しますが、白衛軍の将校であった過去から、除隊を命じられ、逮捕の危険がせまります。自分たちの築いてきた財産を守るため、革命政府に反抗したコサックたち、本当の敵は上流階級であったかもしれないのに、道を誤らざるを得なかった人々の悲劇。母を父をそして一緒に逃げたアクシーニアも失ったグリゴーリー、唯一残った息子を抱きしめるその未来に幸せはあったのでしょうか。2021/06/26
駄目男
13
なんだか寂しい終わりかたったな。両親、兄、妻、多くの友人、そして最後は逃避行に出た愛するアクシーニヤが撃たれて死亡しる。何の為の戦争、内戦だったか。ボルシェビキを倒し新政府樹立のための闘争が、結局、仲間は匪賊になり単なる強盗団になってしまい。三々五々、逃げ惑う中で殺されていき、最後は独りっきりになり故郷を目指す。残されたものは妹と2人の子供。しかし、帰郷してみると女の子の方は既に亡く心に渦巻くのはなんだったろうか。作者のまるで見て来たかのようなこの大作を、元気なうちに読めたのは良かったと思う。2025/07/16
ホレイシア
3
すごく高尚なものを読んだような気がしたものだ。若気の至り…かどうか、そのうち確かめよう。2008/01/01