出版社内容情報
この戯曲には,愛にもとづかない法律的にだけ男女を結びつけるブルジョワ社会の結婚に対する批判がある.同時に裁判官の被告にたいする人間的無関心を暴露しており,一個の問題劇とも呼ばれる.妻とその恋人の幸福のために「生ける屍」となり,ついに自殺の中に解決を見出す主人公の悲痛な内的苦闘をテーマとしている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
76
結婚していても誰かを好きになってしまうこともあるでしょう。精神の躍動感を求めることもあるでしょう。エネルギッシュで健康的な証かもしれないでしょう。相手のとっての幸せに自分がいないのなら放してあげることで苦しみから放ち、精神の自由の総量は最も大きくなるでしょう。2021/05/08
tsubomi
9
2017.03.04-03.08:多分、表紙の装丁に惹かれて買った本(^-^;)。復刻本で初版が1927年なので、旧漢字が多くて読みづらいもののストーリーは面白かったです。珍しいトルストイの戯曲で、タイトルは重々しいですが、ラブ・ストーリー。優しいけど実利的じゃないフェージャが愛する妻を自分のようなダメ男から解放して幸せになってほしいと願って失踪し自殺したことにしたため、妻のリーザは幼なじみのヴィクトルと再婚。現実に選ぶならヴィクトルかなと思うけど、愛の深さはフェージャのほうが上なのかもな、という感じ。2017/03/08
刳森伸一
5
重婚を題材にした戯曲。離婚の困難な時代が持つ不自由な世間。最初の夫が死んだと勘違いして再婚した女性に重婚の罪がかかるという不条理さ。窮屈な時代の不器用な男女の悲劇というとありきたりに聞こえるが、トルストイの手にかかると重厚になる。百数十頁ほどの小品だが、頁数以上の価値があると思う。2017/04/05
ゆかっぴ
3
フェージャがなんとも哀れで切ない結末でした。2016/06/19
Tenco
1
主人公は妻と親友とが恋におちていることを知り……とあったので、もっとドロドロした話かと思っていた。 フェーヂャみたいな人間はいつの時代も生きにくいんだなあ2017/01/29
-
- 電子書籍
- スーパー戦隊 Official Moo…