岩波文庫
家族の記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 359p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003261613
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

もっともロシア的といわれるアクサーコフの代表的作品であり,作者の祖父たちの地主生活をなんら文学的てらいもなく,純粋に,客観的な形式で記録したものである.彼の鋭い眼は,暗黒面も見のがすことなく描写し,後になってドブロリューボフが農奴制についての理論的闘争をなしたさいに,多くの武器を与えた.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

20
1852年初出。旧字体。カスピ海北岸地域(14頁)の地図。原書註によると、大噡向う見ず、と、蹼のある鵞鳥だ、縞毛の獣だ(67頁)。この二つはロシア人にとって、当然のことのようだ。日本人には容易に理解し難いと思う。 ことわざは凝縮された国の文化ともいえるのだろう。老人たちは笑いながら、クロレソフ(退役少佐。プラスコーヴィヤの夫、作中人物多数のため、詳述は略)のところには、「騙しても盗んでも、あとを始末しておけ、だが見つかったら、もう観念しろ」という諺があったと語っていた(118頁)。   2014/07/03

じゃがいも

10
プーシキンより早く生まれた馴染みのない作家の祖父や父母たちの自伝的小説。家父長的地主生活の静かな、正確な記述、かざりのない、抑制された文体の中に、ロシアの自然と人間の生き生きした姿が描かれている。古い時代の話であまり読む人はいないと思うが、久し振りに揺さぶられた。粗野で情に篤く本質を見通す確かな眼をもつ祖父ステパン・ミハイロビッチ。彼が桁外れのスケールで使用人たちに残虐の限りを尽くす姪の夫クレロソフから姪ブラスコーヴィヤを救出するところは激しく感動した。それぞれの人間が素晴らしい。聖書に近いものを感じた。2019/08/24

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