出版社内容情報
この作品においてドストエーフスキイ(一八二一‐八一)は人間の魂を徹底的に悪と反逆と破壊の角度から検討し解剖しつくした.聖書のルカ伝に出てくる,悪霊にとりつかれて湖に飛びこみ溺死したという豚の群れさながらに,無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織した青年たちは,革命を企てながらみずからを滅ぼしてゆく.
内容説明
この作品においてドストエーフスキイは人間の魂を徹底的に悪と反逆と破壊の角度から検討し解剖しつくした。聖書のルカ伝に出てくる、悪霊にとりつかれて湖に飛びこみ溺死したという豚の群れさながらに、無政府主義や無神論に走り秘密結社を組織した青年たちは、革命を企てながらみずからを滅ぼしてゆく…
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
27
昔読んだ本が出てきたので、捨てる前に登録。1974
yumiha
23
ドストエフスキーが難解なのか?訳者が難解な語彙を多用した訳にしてしまうのか?600ページとはいえ、かなり時間を要した。過度期のロシアの地方社交界って、噂が飛び交い、それによって人間関係も左右されるんかいな?「悪霊」って、誰か、たとえばニコライとかピョートルとかを譬えているんかしらん?と思いつつ読み進めたけれど、ニコライは『カラマーゾフの兄弟』のイワンのような苦悩しがちな自虐的な人物に見えるし、ピョートルも小賢しい小細工の小悪人としか見えないし?ともあれ、パンパンに膨らんだ風船状態で上巻は終わった。2016/05/14
ががが
6
19世紀のロシアで起きた事件を題材にした小説。まずは主人公のスタヴローギンを教育したスチェパン氏の自伝だが、この先生はロシア知識人の典型という感じがして、言動がいちいちおもしろい。この文化人の話だけでもつかみとしてはばっちりなのだが、あくまで主役の特異な性格を際立たせる舞台として物語上では展開しつつある。登場人物はどいつもこいつも思想的なアクが強く、一癖も二癖もあるやつばかりで、これで何も起きないなんてありえない。終始漂う不穏な雰囲気が、難解な神学論争もなんのそので次へ次へと読ませる推進力になっている。2024/01/26
にしの
6
再読。初めての『悪霊』を興奮覚めらずに夜通し読み耽った5年前が懐かしい。悲しいことだが、今ではあそこまで集中して読書する胆力も時間も萎えてしまった。 最初の訳より古かったが、読めないことはない。懐かしさを感じながら、作者の人間存在に対する冷笑が際立っている作品なことを感じる。群像劇であるからそれを浴びせられる奴も多い。シャートフはプーチン・イデオロギーみたいなこと言ってるし、スタヴローギンは周りに価値観があわない普通の青年に思える。世はおそらく作者が恐れたニヒリズムだし、僕もそれに浸かってるからだね。2023/09/13
マクド青年@三浦派
6
難解すぎて1回読んだだけではわからん。無神論、共産主義、無政府主義などの思想が出てくるので、時代背景等を先に押さえておくべきだった。下巻は上巻と違って一気に読めるらしいので期待。2012/02/18