出版社内容情報
オブローモフ.教養のある貴族インテリゲンツィア.高い理想を口にしながら自らは行動せず,無関心,そして怠惰.ゴンチャロフの小説「オブローモフ」をとりあげて当時のインテリに共通の気質をえぐり出す.農民革命による社会主義社会をもたらすべく精力的に文筆活動を行なったドブロリューボフ(1836‐1861)の代表的文芸評論.改版に際し「その日はいつ来るか?」を付す.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cockroach's garten
25
表題の『オブローモフ主義とは何か?』のみ読了。オブローモフの他にもプーシキンの『オネーギン』やツルゲーネフの『ルージン』から読み解ける主人公に共通する高邁な理想と怠惰な性格のギャップ。ドブロリューボブの鋭い分析は現代の知識人にも少なからず当てはまるであろう。オブローモフや他の作品を通して「理想とは何のためにあるのか」を考えさせられる。そしてそれに見合った行動は出来るのかを。2020/11/24
みつ
16
二篇を収録したこの本のうち表題作のみ読了。『オブローモフ』を読み終えてこの評論に取りかかるというのは初読の時と同じ。表題の「オブローモフ主義」というのは、(原題の意味は不明だが)「主義」というよりは「気質」とすべきだろう。およそ「主義」ほど(生活信条すら存在しない)彼に縁遠いものはないからである。ルージンやオネーギンにも共通するこの気質は、この世紀初めの『戦争と平和』の貴族たちのそれとは大きく異なるため、どこかで時代は変わったのだろうか。著者はシュトルツ以上に、ヒロインのオリガに希望を込めて、論を結ぶ。2024/12/02
washa46
1
先にゴンチャロフやツルゲーネフを読むべきだった…かな? この本を読むための読書が足りなかったという事かぁ… この本の読者としては‘ただの余計者’になってしまった気分(笑) ゴンチャロフやツルゲーネフを読んでから再読してみよう…。2020/02/11
柴-shiva-
1
『オブローモフ主義とは何か?』『その日は来るのか?』の二編を収載。前者はゴンチャロフ『オブローモフ』、後者はトゥルゲーネフ『その前夜』についての評論。『オブローモフ』は現時点では未読です。後者を目当てに購入しました。2017/05/21
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