岩波文庫
貴族の巣

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260913
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ロシア・インテリゲンツィアの生成過程をたどる上にきわめて興味深い荘園貴族文化(貴族の巣)の歴史,甘美な葬送曲,ロシア文学の主題として長い生命を保ったいわゆる「無用人」の問題は,ここにおいてはっきりとわれわれの眼前に押し出される.しかしこの作品が圧倒的な支持を受けた大きな原因は何といっても女主人公リーザの創造であった.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

てれまこし

5
生産を他人に押付けてしまった不労階級が「自分は何をなすべきか」と問うのが実存問題の始まり。実存哲学を生んだのは、払っても払いきれない生存の痛苦ではなく貴族の退屈。だから観想的哲学より宗教に近い。世渡りのために身につけさせた教養が貴族の子弟を目ざめさせる。しかし、思想を呑みこむだけでは従来の消費専門生活の域を出ない。理論をどうやって実践に移すか。ここに知識人の悩みの原型がある。思想を実践に移す前に死んでしまった『ルーヂン』から、地主として農民の幸福に尽くしたラヴレーツキイは一歩前進。次は社会改革が視野に入る2019/02/11

KUMAGAI NAOCO

1
見た事はないが、昔映画化もされたらしい、ロシア3大文豪の1人トゥルゲーネフの作品。主人公ラブレーツキーは、一目惚れして結婚した妻が浮気してると知り、ショックを受けてパリからロシアの地元の街へ帰って来る。そこで知り合った若い娘のリーザに惹かれて行く中、パリに残してきた妻が死んだと知る。リーザもまた自分に気があると分かって幸せな方向に行くかと思いきや、死んだと思われてた妻が財産を食い潰して娘を連れて現れる。ラブレーツキーとリーザの恋はあまりにピュアで悲しい、ラブレーツキー夫人は制裁を受けて欲しい、そんな感じ。2021/12/09

かしこ

1
ヘンリージェイムズのアメリカ人に似ていた。真摯な生き方や真心からの愛を追及する人は美しい。今にはない昔の時代の価値観。2018/12/08

kozy758

1
感傷的な場面とそれぞれの人生の機微が印象的であった。2014/11/24

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/181650
  • ご注意事項