出版社内容情報
『平凡物語』『オブローモフ』に続くゴンチャロフ(1812-91)の最大長編で、完成までに20年を要した。1869年刊。ディレッタントのライスキーを中心に、農奴解放を遠からず控えたロシアの矛盾に満ちた姿を描く。
内容説明
『平凡物語』『オブローモフ』に続くゴンチャロフ(一八一二‐一八九一)の最大長篇。主人公ライスキーを中心に、古きロシアを体現する祖母、新思想に惹かれるヴェーラ、ニヒリストのマルク等を登場させ、農奴解放を遠からず控えた変動期ロシアの姿を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
66
5巻からなる長編の、まずは、主人公ライスキーの人物紹介。彼は、芸術家気取りで、絵を描いていたかと思えば小説に着手し、詩を書き、彫刻に取り組んだりする。本人は新しい時代の先端を行く自由人だと思っている。芸術家小説、教養小説でもあるこの話、どのように発展していくのか。2020/06/01
ラウリスタ~
7
ゴンチャロフさん面白い。ロシアって人物がでっかいですね。ロシア的な悩みを抱え、ロシア的なブルジョアに愕然として、、、、。あと、ロシア文学やってると、フランス語やってて良かったって思います。上流社会の会話はフランス語ですからね。この小説は・・・、ロシア的教養小説かな。面白くなりそうな序章。2010/10/23
刳森伸一
2
1巻目ということもあってか特に何が起こるわけでもないのだが、人間描写が丁寧で読ませる。2013/05/06
tieckP(ティークP)
2
芸術家小説。思ったよりおもしろく、読みやすかった。個人的には1巻の時点ではゴンチャロフの代表作「オブローモフ」より好印象。登場人物が思ったことをそのまま吐露してくれるのは19世紀文学の古めかしさでもあるけれど、そこにはやっぱり魅力もあるよね。2011/07/15
Lieu
0
主人公ライスキーは芸術家志望だが、感受性過多ではなく、世間ずれしているかと思えば気ままなところもあって、どこかつかみどころがない。しかしその代わり、人物造型が紋切り型になるということがなく、飽きずに読み進めることができる。第一巻では学校時代から失恋まで。これからどんな小説になるか、予想がつかない。2022/08/24