岩波文庫
平凡物語〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260661
  • NDC分類 983
  • Cコード C0197

出版社内容情報

理想を抱いていた青年が、次々に苦い現実に直面して幻滅を重ね、世間ずれした俗物と化す。『平凡物語』とは、およそありがちな過程を辿っていく一人の人間の、微苦笑を誘う<平凡>な<歴史>の<物語>である。

内容説明

次々と苦い現実に直面し、幻滅を重ねていく主人公。理想を抱いていた青年がやがて世間ずれした俗物と化す。『平凡物語』とは、およそありがちな過程をたどっていく一人の人間の、微苦笑を誘う平凡な歴史の物語である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゅんさん

51
面白い。正直、アレクサンドルにはそのままでいて欲しかったけど、彼が俗物になるところが“平凡”たる所以なんだろう。それにしてもピョートルおじさんは最後まで面白かったし意外と良い人、そしてリザヴェータは最後まで素敵だった。ロシアの小説はどれも面白いなぁ。プーチンさんもこれ読んで少し落ち着こうよ2022/03/02

みっぴー

50
溢れんばかりの希望を奪われた人はどうなるのか…結果、禿げる。下巻はいっぱしの俗物と化した元夢見る青年アレクサンドルのグータラな嘆き節。ピョートル叔父のように、人生に対する〝計画〟だけを持って暮らしていれば、アレクサンドルのように大きな絶望を味わうこともなかったけど、それではあまりにも無味乾燥。中庸が肝要ということで、私はどちらの肩も持つことができません。でも、アレクサンドルには一発当てて欲しかったなぁ…2017/02/22

きりぱい

9
面白かった。田舎育ちでロマンチシストな青年がくじけ、一人前の人間になるまで。面白かったのは上巻のほうだな。恋する彼女を束縛したり、母大事といいながら手紙は打っちゃったままとか、大仰に理想論だけは語ると思っていたから、都会で世間ずれした実際家の叔父にことごとく否定され、身をもって現実を知るのが少々小気味よかった。容赦ない言い方はするけれどいい叔父なんだ。下巻ラスト、いい成長を見せそうだったのに理想を保つか失くすか極端なんだものなあ。逆に回り回った叔父はよかった。2016/06/03

壱萬参仟縁

8
「義務を果たし、一生を正直に、勤勉に過ごしたとなれば、これこそ幸福じゃないか!」(69ページ) どんな人生でも、この正直と勤勉が不可欠なのだな。「人生で幸福と禍いが周期的にやって来る」(203ページ)とは、景気循環のような波が人生にも確実に存在することを意味する。改めて、認識しておきたい。「人間は仕事をし、恋をし、享楽し、苦しみ、昂奮し、自分の勤めを果たしていればこそ、生きていると言えるのです」(354ページ)。なんていい表現なのかと思う。喜怒哀楽の人生模様。平板な日常をメリハリつけるのはこうした要素か。2013/02/01

sh

7
田舎から、都会に出て、あらゆる失敗を繰り返しつつ、平凡に「成長」を遂げる主人公。理想と現実の間で、人間、どう生きるべきか。極端に描かれた本作の登場人物に、あるときは共感し、ある時は反感を覚えたが、これが色々入れ替わるので面白かった。恋愛の描写、風景の描写は、卓越しており、何度も読み返したくなる作品だと思った。2020/10/04

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