岩波文庫
検察官 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 177p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003260524
  • NDC分類 982
  • Cコード C0198

出版社内容情報

フレスターコフは飢えに追われ,とある田舎宿にころがり込んだ.ところがなぜか市長らお歴々がお出迎え.どうやら検察官と間違えられたらしい.そこで彼は官吏たちの弱味につけこみ金を巻上げ,市長の妻や娘をたらしこんだうえ,一片の嘲りの手紙を残して去る.一同地団駄踏んでいるところへ今度は本物の検察官の到来が告げられる.

内容説明

フレスターコフ青年は飢えに追われ、とある田舎宿にころがり込んだ。ところがなぜか市長らお歴々がお出迎え。どうやら検察官と間違えてのことらしい。そこで青年は、官吏たちの弱身につけこみ金を巻上げ、市長の妻や娘をたらしこんだうえ、一片の嘲りの手紙を残して去る。一同地団駄踏んでいるところへ今度は本物の検察官の到来が告げられる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

みつ

29
約半世紀前の高校生時代、旺文社文庫(函に入った凝った造本)で読んで以来の再読。勘違いが生んだドタバタ喜劇との印象が強かったが、権力ある役人に取り入ろうとする人々を戯画的に描くことで切実さが滑稽さに直結する世界を強烈に印象づける。自分が勤め人生活を終えた直後でもあり、よからぬ目的をもって様々な献金が横行する昨今の社会の写し鏡のようにも見えてくる。また、どう見ても怪しげな人物であるのに皆信じきってしまうというのも、今日のフェイク・ニュースに通じる。真相を知らされ、1分半続く「だんまりの場」で幕というのも斬新。2024/04/01

かごむし

28
ゴーゴリ3作目。前に読んだ「外套」「鼻」に比べると、物語の意図もはっきりしている分、読みやすくて面白かったけど、それ以上の感想があるかと言われるとどうも。強いてあげるとすれば、ニコニコしながら、心の中で相手に舌を出すような、誰しも持っている社会的な仮面のようなものを、人間てしょうがないですよね、という哀しい喜劇にしているところが、読みどころのようには思う。ただ、読み終わって、そうだよね!という気持ちよりも、しょうがないじゃない、という気分の方が勝ったことが、この作品にピンと来なかった理由のようには思う。2018/11/25

松本直哉

26
最後のページで、爆弾のような知らせとともに登場人物全員が化石のように固まって一分半動かないという「だんまりの場」、こういう終わり方の劇はほかに知らなくて、その劇的効果は実演で見れば戦慄するほどだろう。それまでの展開で全員が醜い欲望と嫉妬と虚栄のありったけを出し尽くしたあとだけになおさら。ハムレットのローゼンクランツとギルデンスターンのような漫才のようなドブチンスキイとボブチンスキイの地主コンビが笑わせる。いまでも、査察が入るからデータ改竄だの統計不正だの、やっていることは全く変わらないのだなあと思う。2022/03/25

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

24
ゴーゴリ作の戯曲。印刷工場の植字工や校正係が笑って笑って仕事にならなかったというエピソードがある。検察官の視察で田舎の市長やお偉方がここぞとばかりに「おもてなし」をして賄賂を送る。舞台発表も大成功だったらしい。米川正夫氏の解説も面白い。2016/03/19

藤月はな(灯れ松明の火)

24
中央集権に媚を売る田舎の小役人やその地ではちょっと名の知れているが中央では名すらも掏られていない人物、すっかんぴんなのに口八丁で自分を中央官吏だと思わせる若手役人。市長が官吏に振り回され、口先の世事に一喜一憂し、中央に行けると勘違いした途端、気取り、虎の威を借り、と凄まじいまでの喜劇でした(笑)2012/07/17

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