出版社内容情報
19世紀後半の実証主義思想の席巻を生み出し，ゾラの「実験小説論」等の自然主義理論の展開に重要な契機を与えたテエヌ（1829‐1893）の歴史・芸術哲学．本書には，その簡潔な要約である「英文学史」「評論および史論集」の序文と，その実践としての作家論を付す．新版には，「歴史の方法」と作家論2篇（スタンダール，バルザック）を加えた．
内容説明
フランス実証主義の代表的思想家テエヌ。ゾラなど自然主義文学に強い影響を及ぼした彼の代表的論文六篇を収録。
目次
文学史の方法
精神的事象における依存関係と諸条件とについて
歴史と方法
スタンダアル
プロスペル・メリメ
バルザック
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
「今日、歴史学は、動物学と同じように、その解剖学を見出している。どのような歴史学の部門を研究対象にしようとも、文献学…言語学…神話学の部門であろうと…新しい成果を生み出そうと努めている。…読者はただ二人の歴史家と二つの著書にだけ注意されたい。一つはカーライルの『クロムウェル』についての註釈、もう一つはサント・ブーヴの『ポール・ロワイヤル』である。読者は、これらの著書からして、さまざまな活動や仕事のかげに、いかに正しく、いかに的確に、いかに深く、一個の魂を見つけ出すことができるか、わかることであろう」2023/12/25
