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岩波文庫
十二の恋の物語―マリー・ド・フランスのレー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 324p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003258217
  • NDC分類 951
  • Cコード C0198

出版社内容情報

「恋人よ,私なくしてあなたはなく,あなたなくして私もない」――宿命の糸に結ばれ,いちずに恋の成就を求める主人公たち.フランス最初の女性詩人マリー・ド・フランス(十二世紀後半)が,ブルターニュに伝わる恋と冒険の物語をうたった十二のレー(短篇物語詩).気取りのない清新な語り口が,ひたむきな愛の姿をうつしだす.

内容説明

宿命の糸に結ばれ、いちずに恋の成就を求める主人公たち。フランス最初の女性詩人マリー・ド・フランス(12世紀後半)が,ブルターニュに伝わる恋と冒険の物語をうたった12のレー(短篇物語詩)。気取りのない清新な語り口がひたむきな愛の姿をうつしだす。

目次

1 ギジュマール
2 エキタン
3 とりねこ
4 狼男
5 ランヴァル
6 二人の恋人
7 ヨネック
8 夜鳴き鶯
9 ミロン
10 不幸な男
11 すいかずら
12 エリデュック

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

棕櫚木庵

19
12世紀に成立した,騎士と貴婦人の恋物語.現在の倫理・価値観をいったん括弧に入れてしまえば,話がサクサク進んで楽しく読めた.ときどき括弧が外れそうになるけど.時は百年戦争前.英仏海峡が国境ではなく,大陸-大ブリテン島間の海峡に過ぎなかった頃の状況がよくわかる.巻末の訳者解説も面白かった.遍歴の騎士の背景には,長子相続制の確立によって領地を失った次男,三男の存在があるとか,恋に係る心性史の一段階,および,それと言葉との係わりなど.物語自体よりそっちの方が面白かったりして,とは,詩歌文芸オンチの弁(^^;).2021/02/09

春ドーナツ

9
納涼怪物くん祭りその3(にして終わり)。フランス最初の女性詩人(12世紀後半)のレー(短篇物語詩)に「狼男」が収録されている。男は森に入る。服を石の下の穴に隠す。全裸になると変身。人間に戻りたい場合は、服を着る。だから男は「隠した」のですね。その様子を見ていた下男が服を持ち去ってしまうと、さあ、大変。男は狼男として半生を送らねばならないのだ。「そうかそうか」と思う。祭りの後の寂しさよ。2017/08/01

鳩羽

7
ブルターニュのブルトン人が語り継いできた恋の物語詩(レー)を、マリー・ド・フランスがフランス語に訳し、再解釈を与えたもの。「恋」というものが発見され、文化となっていく原初を見るようでした。嗜みであり、契約であり、素朴すぎたり、直球すぎたり(笑)恋の物語、というより、大人の読む因縁話や教訓話みたいなものも多い。「夜鳴き鶯」のひそやかな終わりが良かった。2009/10/01

きりぱい

6
ブルターニュに伝わる恋のレー(物語詩)から作られた作品。恋をしたの恋は、強く惹かれる気持ちのことでもあり、メイクラブでもあり、ほのぼのと読むには結構さらっと寝取られ物語。勇敢で気高い騎士に美しい婦人と、許されぬ恋に堕ちるのは大抵美男美女。アーサー王やトリスタンとイズーが出てきたり、何かっちゃ閉じ込める嫉妬深い夫がいるかと思えば、何の咎もない夫人が気の毒な目に遭っていたり、障壁の肉付けは様々。恋の楽しみよりも恋をしたばかりに味わう苦しみの方が色濃い。どれもほどほどに楽しめるけれど、双子や狼男辺りが好み。2014/05/22

misui

4
12世紀後半、フランス文学史上初めての女性作家による物語詩。「レー」とはブルターニュに伝承されていた歌謡作品で、マリーはそれらを韻文の形に改めている。本書に収められた物語詩のどれもが恋に関するものであって、これは今日我々が言う「恋愛」の始まりにあたるとのこと。騎士道の華やかさの中にどこか異界の匂いのする物語は、読んでいて随分と清々しい気分にさせてくれた。「ランヴァル」が特に好き。2020/02/04

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