出版社内容情報
1872年10月2日午後8時45分,ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は,80日間世界一周の旅に出た.彼はトランプ仲間と,1秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ.
内容説明
一八七二年一〇月二日午後八時四五分、ロンドンの謹厳な資産家にして知識人フィリアス・フォッグ氏は、多くの新聞が一斉にとりあげ狂気の沙汰と評した、八〇日間世界一周の旅に出た。彼はトランプ仲間と、一秒でも遅れると全財産を失うことになる賭をしたのだ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
118
自らの名誉と破産をかけて80日で世界一周に挑む英国紳士。異文化、文明開花、そして移動を時間に還元することの関心が強かった時代ならではのスリルと高揚。異国描写は雑誌の記事に依拠したもので、当時の欧州人から見た当地の印象が垣間見れる。特にゾロアスター教の風習、英国の阿片商売や米国人の無神経さなどの風刺が強烈。金で押し通す主人公の周囲は常に損益・貸借の意識がつきまとうが、一行が見せるそれを超越した言動こそが本作の魅力だ。それは著者たちが染まりゆく経済至上主義への嘲笑ともとれる。計算だけの生き方に人は惹かれない。2021/09/10
goro@the_booby
66
その昔、10枚組の映画音楽集のレコードを買ってもらって毎日聴いていた中にこの映画のテーマ曲が入ってた。映画は観ていなかったけどビクター・ヤングのメロディは忘れられなかった。あれからウン十年、漸く原作を読むことが出来ました。賭けのために旅立った英国紳士フォッグと召使パスパルトゥーの80日間の冒険の旅は波瀾万丈。お金で解決しちゃうことろはあるけれど婦人救出やパスパルトゥーを助けるなど冷たそうで熱い紳士フォッグなのです。船、汽車、橇に像と二人と共に楽しい旅でした。映画も観なければ!2021/01/08
だんたろう
48
申し訳ありませんでした。と素直に謝りたい。児童文学に毛が生えたようなものと高を括っておりました。いやはやこれほどまでに引き込まれるとは予想外。はらはらどきどきの連続で、上質のエンターテインメントであることに間違いはない。まるで自分も一緒に旅をしているような臨場感で、これもひとえに翻訳者の力も大きいだろう。多くの作品が生まれては消えていく中で、残り続ける作品にはそれなりの理由が存在する。地球上の大抵の物はお金で手に入れることができるが、お金以外で手に入れるものに何よりの価値がある。フォッグ氏が教えてくれた。2016/08/30
Tadashi_N
31
世界一周が冒険だったころの、ハラハラさせられる道中記。名作であることも納得した。2020/03/04
旗本多忙
17
1870年代‥イギリス紳士のフォッグは財と上流人の品位はあったが変わり者だった。ある時、革新クラブの仲間内で、世界一周は80日きっかりで回れるか否かいう話になり、皆は出来ぬと言い、フォッグは出来ると言って2万ポンドを賭ける。それを証明するために召使いとロンドンを発った。不測の事態も予期の内と言い、困難な事態が先々で起こる。しかし顔色一つ変えないフォッグ。日にちは迫る‥‥果たして完遂できるのか。冒険の最高傑作!2017/06/18