出版社内容情報
雪深いスイスの片田舎.牧師に拾われ彼の献身的な愛と教育によって聡明な美しい娘に成長した盲目の少女はすべてを乗りこえて牧師との恋に生きようとした.しかし,手術によって開眼した彼女は,自分が牧師の家庭を破壊したことを知り,罪の意識に耐えかねて自殺する.マタイ伝の悲劇をもとにしたジイドの傑作中篇.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿呆った(旧・ことうら)
14
【ノーベル文学賞・受賞者作品】<爾らもし盲なら、罪無かるごとし> ◆視力に障がいがある、人としての教育を受けずに育った美しい娘を引き取った牧師が主人公。◆知ってしまうことで引き受ける罪悪感、慈善に端を発するエゴイズムの表現が秀逸。2017/02/18
大岩 雄二郎
2
ベートーヴェンの田園交響楽になぞらえるならば、第4楽章の「嵐」までが描かれていると思った。主人公の牧師には、フィナーレの第5楽章が待っていると信じたい。2015/07/03
Hiroshi Nishina
1
神は教えに背いた牧師に罰を与えたのか2013/09/30
holo
0
盲目と理想の話。一瞬の隙もなく美しい。著者訳者に畏敬の念を禁じ得ない。2024/06/05