岩波文庫<br> 口髭/宝石

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岩波文庫
口髭/宝石

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  • サイズ 文庫判/ページ数 112p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003255117
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

夫の口髭を礼讃する妻の手紙「口髭」.妻の死後,贋物と思っていた妻の宝石が全部真物で情夫からの贈物であったと気づく夫の驚きを書いた「宝石」.持参金をそっくり持ち逃げされるおぼこ娘の話「持参金」.夫婦和合の物音を殺人事件と早合点する郵便配達夫「ボニファスおやじの罪」など,ユーモアの中に一掬の涙を秘める好短篇集.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

こばまり

54
ここしばらく文字は書いていたのだが読んではいなかったのでリハビリのつもりで好きなモーパッサンを。この人のどこが好きだろうと考えた時、艶っぽさや可笑しみもあるが私にとって一番はほろ苦さ。上等なチョコレートのように苦味が強い方が美味しい。もう一粒、あと一粒と後を引く。2015/11/08

藤月はな(灯れ松明の火)

16
「ボニファウス親父の罪」は真相が明らかにされていないのが逆にぞっとします。逆に「寝室二十九号」は梅毒に罹った恋人が自分を汚い者のように見る保身と見栄だけの大尉を罵倒する所が女としては痛快でした。田舎言葉が如何にもらしくて笑えました。2012/07/06

noémi

15
「カラ兄」を読了後、これを読むと、でっかいキエフカツを食べた後、とりわけ精巧に拵えたプチ・フールを味わうようなリッチな感じ。本当はちくまの山田登世子の訳で読みたかったが、生憎図書館は岩波しかなかった。全部、旧漢字。それに「しめ子の兔」って何? 笑 読友が『宝石』を薦めてくれた。これもいいけど、ツボだったのは、『口髭』だったかな。若い頃はいわゆる「ヒゲ」って明治の元勲の印象しかなくて、多分、こういうのを読んでもピンとは来なかったろうが、最近、そういう髭のセクシーさっていうのがちょっとわかったかもしれない。2013/03/26

TSUBASA

8
19世紀後半の人々を皮肉っぽく、エロっぽく、愉快に綴った7編収録。岩波復刻版ということで、使われているのが旧字体だったが、内容は頗る読みやすい。展開は今読んでも特別な新しさは無いかもしれないが、滑稽さを凝りすぎることなく描写しているのが良かった。印象に残ったのは『ボニファスおやじの罪』、『寝室二十九号』。前者は、実は真相を書ききっておらず、想像の余地があるのが面白い。後者は、梅毒にかかった美女が、恋人である大尉の武勇を罵倒するシーンにゾッとする。2011/05/02

かず

6
訳の人が雰囲気だすためにかなり気をつかっているなーという感じを受けた。あとは露骨にエロかったり生々しい部分を見せてくれるところが記憶に残る。「宝石」が良かった、謎を残して終わるところとかが。2011/06/24

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