岩波文庫<br> コロンバ (改版)

岩波文庫
コロンバ (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 225p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003253427
  • NDC分類 953
  • Cコード C0197

出版社内容情報

父が,バリケニ家の二人息子に殺されたと信じるレビラ家の娘コロンバは,兄の帰国を待ち,復讐せよと迫る.それが神聖なコルシカの風習だからだ.フランスで教育を受けた兄オルソは気が進まない…….マキ(雑木山)を背景に,人物の配置,筋のたたみ方から,伏線の張り方まで,メリメ(一八〇三―七〇)の作品中でも特に複雑で技巧に富む.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

19
父親の敵を討つために恋をしている軍隊帰りの兄に復讐の手伝いを迫るコルシカ生まれの気丈且つ冷静な女傑、コロンバ。「モンテ・クリスト伯」のアンドレアもコルシカ出身と言っていたので当時のフランスでは、コルシカは無法地帯という印象だったのだろうか?コロンバの様は、まさにドスを構えながらもにっこり、微笑んで啖呵を切る極妻のようです。命をもって利子すらもきっちり、支払って戴きます。血塗れになるまで残虐に復讐をしたオルソと残酷な一言で復讐相手の心臓を止めたコロンバがひたすら、恐ろしかったです。2012/07/20

Hepatica nobilis

6
筑摩の全集で。ナポレオンの生地として知られるコルシカを舞台にした、古い因襲に囚われた兄妹の濃厚な復讐劇。冒頭はリディア嬢とオルソの出会いから始まり、なかなか登場しないコロンバって誰だろうぐらいに思っていた。が、コルシカに着いて彼女が登場すると、葛藤する兄に復讐を執拗に迫り復讐を遂げさせてしまう。最後の場面、復讐され落ちぶれた父親を、腐った切り株で「同郷の白痴」と切り捨てる。鬼の目をした猛女「コロンバ」の異様な存在感の前に他の登場人物も遠景になってしまったほど。2012/08/15

Happy Like a Honeybee

5
初めてメリメを読了。猪突猛進するコロンバに魅かれます。 コルシカ島ではコロンバと言うビールが販売されている。 気性の荒い犬馬のような存在であり、周囲の男性を引き込む磁場を持った主人公。 現代でも似たような科学者がいたような気がする。2018/03/11

きりぱい

4
始まりはコロンバではないのに、終わりはどうしようもなくコロンバ。故郷のコルシカに帰る青年を待ち受けていたのはコルシカの根強い因習だった。憑かれたように復讐へと誘導するコロンバの執拗さが怖ろしい。美しいながら、カルメンとはまた違う悪魔性を感じさせる女傑。結局裁きをつけたのは、追い込まれた兄オルソなのか、周到な妹コロンバなのか!2010/09/21

YO)))

2
軍隊出戻りの兄、オルソに、コルシカ流の仁義を貫かせようと画策する、麗しくも恐るべき妹、コロンバ。オルソに心を寄せる、じゃじゃ馬気質ながらも育ちの良い英国流の貴婦人、リディア嬢。どちらも実に魅力的、というか両者のコントラストが肝なんだろうね。2012/02/16

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