岩波文庫
ルイ十四世の世紀〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003251836
  • NDC分類 235.05
  • Cコード C0122

出版社内容情報

ヴォルテールは十八世紀文学と思想を開化させた作家であり,政治史,英雄史にとどまっていたこれまでの歴史を社会史,文化史の地盤に移した歴史家でもあって,その名声は生存中すでに全ヨーロッパに及んでいた.フランス史上豪之絢爛を誇った太陽王ルイ十四世の時代を人物,社会などあらゆる側面から分析した不朽の名著である.

内容説明

十八世紀フランス文学と啓蒙思想を開花させたヴォルテールが、太陽王ルイ十四世(在位一六四三‐一七一五)の時代を、様々な角度から照らし明快な分析を加えながら描いた不朽の書。本巻には、フランスと欧州諸国の情勢、内乱、戦争と外交等、十六章まで。

目次

序説
ルイ十四世出現前のヨーロッパ諸国
ルイ十四世の未成年時代。後の大コンデ即ちダンガン公の指揮下に、フランス軍幾多の勝利を収める
内乱上
内乱下(一六五三年終結するまで)
一六六一年枢機官マザランが他界するまでのフランスの情勢
ルイ十四世の親政。スペインのハプスブルグ家を威圧して、至るところで上席権を譲らせ、法王庁にも名誉毀損の償いをさせる。ダンケルクの買収。ドイツ、ポルトガル、連邦共和国の保護者をもって自ら任じ、富国強兵の実を挙げる
フランドルの征服
フランシュ=コンテの征服。アーヘンの講和
ルイ十四世の経営と栄華。ポルトガルの珍事。カジミエシ、フランスに亡命。カンディアの救援。オランダの征服
フランス軍オランダを撤退。再度フランシュ=コンテを征服する
チュレンヌ元帥の名作戦と死。スネフにおける大コンデの最後の戦
チュレンヌの戦死から、一六七八年イメーヘンの講和までストラスブールの攻略。アルジェの砲撃、ジェノアの降服。シャム使節団の到来。ローマで法王を侮辱。ケルン選挙侯領の争奪
ジェームズ王、女婿のウィリアム三世に王位を追われ、ルイ十四世の許へ走る
一六九七年まで、即ち、ウィリアム三世がイングランド、スコットランド、アイルランドを征服している間の大陸の情勢。ファルツ再び焦土となる。カチナ、リュクサンブール両元帥の勝利。その他

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bashlier

18
5/5 17世紀欧州の歴史が詳細かつドラマティックに追える上に、人々の息遣いまで感じられる傑作。当時はパソコンもスマホもなく、情報の整理収集が現代とは比較にならない程手間のかかるものだった時代。ここまでの作品を作り上げるには並大抵でない努力があったはずで、頭が下がります。歴史家としての冷静な視点だけでなく、随所に盛り込まれた”人間臭い”コメントも秀逸。史実と演劇を生涯書き続けたフォルテールだからこその高みでしょうか。2023/03/15

名言紹介屋ぼんぷ

15
「人を不幸にするのはよいが、 その絶叫は聞きたくないというのが人情だ。」2023/10/20

Tomozuki Kibe

4
啓蒙思想家ヴォルテールが「自分よりちょっと前」の時代を描いた「歴史読み物」。歴史書というほどの哲学はない。 1巻は30年戦争の終結点・ウエストファリア条約と同年に始まったフロンドの乱。「高等法院⁼ならず者」。そして10年もせずに始まるフランドル継承戦争・オランダ侵略戦争。そして英蘭戦争の末にデ・ロイテルの戦死、イングランドの王政復古とジェームズ二世の敗北…。実に濃い時代である。2024/12/28

Fumoh

3
ヴォルテールによるルイ十四世の世紀(1660~1710頃)の評論・解説であり、これを歴史書とみる向きもあるだろうが、わたしはとても歴史書とは言えない内容だという意見。ヴォルテールは歴史学者という肩書きも持っているが、実際のところ、本質はやはり詩人であって、啓蒙思想家である。その彼が見た「ルイ十四世の世紀」であるという観点は大切だと思う。第一巻はルイ十四世の治世の少し前から、中頃までの状況を、フランス国外、国内あちこちの情報を取りとめもなく描いていく。2024/06/16

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