感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
7
ストーリーの淡白さに煮え切らないものを感じた。そして、わたしたちの人生の味気なさが、そのまま文章にされたような結末にも、落ち込んだ。人の愛の移ろいやすさや、惰性で生きることといった、確かに真実でありながら目を背けたくなる人間のどうしょうもない一面をまざまざと見せ付けられたようでそれがつらい。フォンターネはリアリズム文学の大家として見なされているようだが、それゆえに暗い気分の時に読み始めると、とことんまで気が滅入ってしまう作品だった。2012/02/14
