岩波文庫
芸術を愛する一修道僧の真情の披瀝

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  • サイズ 文庫判/ページ数 210p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003245118
  • NDC分類 944
  • Cコード C0198

出版社内容情報

芸術の古都ニュルンベルク讃仰,ドイツ古典精神の権化たるデューラーへの思慕,さらにイタリア・ルネッサンスの巨匠たちに対する深い帰依と讃歎等の中に,芸術と宗教との融合を説く.これは18世紀末,25歳の若さで世を去ったドイツ・ロマン派の異彩ヴァッケンローダー(1773‐1798)の純真な芸術への愛と熱烈な信仰との表白である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

17
旧字体。「フランチェスコ・フランチァの死」で、フランチャスコは賤しい手職人の子に生れた。しかし、 倦まぬ精進と絶えず向上を志す精神によつて成功して、最高の名声をかち得るに至つた(24頁)。 出自ではなくて、後天的な才能開花であろう。 美しい彫像とか絵画とかは、決して記述されることができない(65頁)。 藝術(傍点)は、人間の感覚の花と呼ばれるべきである(78頁)。 藝術(傍点)は、謎めいた神秘な仕方で、人間の心に働きかける不可思議な力を持つてゐる(102頁)。 2014/03/14

ラウリスタ~

5
原著が1797年、結構古い。それはいいとして訳が1939年、かなり旧い。別に読めなくはないのだが、こんな細かい漢字、人の手でよう書いていたなって思う。もっとも、別にそんなに面白くはない。18世紀末の20代の青年(ドイツ・ロマン派の異彩らしい)がラファエロ、ダヴィンチについてつらつら書いている。「自分と同レベかな?」って思っていたラファエロの絵を目にした時に、自分の芸術がいかに未熟であったかを悟り、気絶し、死んだことによって偉大になるフランチェスコの物語は良かった。2015/05/06

tieckP(ティークP)

1
エッセイに近い本ながら、神が生きている芸術観としては、その感性と知性において評価に値すると思う。いま敢えて神を持ち出すとどうしても意識的になるが、その点この本は実に素朴でかえって心打たれる。古典主義とロマン主義が幸福に解け合っている彼が早逝したのは時代の要請だったのかも知れない。2011/09/02

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