岩波文庫<br> ギューゲスと彼の指輪 - 他一篇

岩波文庫
ギューゲスと彼の指輪 - 他一篇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 231p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784003242032
  • NDC分類 942
  • Cコード C0198

出版社内容情報

リーディアの王は彼の美しい妃が大変自慢だったが,妃の生国の風習で,妻を他人に見せられぬのが不満だった.たまたま若い寵臣ギューゲスが姿を隠すことのできる指輪を持っているのを知り,一夜彼に妃を垣間見せ満足を得る.ギューゲスは妃への恋情と己の行ないの卑しさに,一方このことを知った妃は夫への不信と愛の葛藤に悩まされる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

jozo

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ギリシャ悲劇を見てそのファンになってしまった自分には、フランスの古典主義者やこの作品を描いたヘッベルの気持ちがよくわかる。彫刻や哲学など他の分野でそうであったように物語創作においても古代ギリシャは優れた独立の地位を築き上げた。この作品でヘッベルはギリシャ悲劇の美点を良く模倣しえている。正直翻訳は結構わかりにくい部分がある気がするが、これはこれで程よい謎かけを生んでいていいかもしれない。2025/03/12

迦陵頻之急

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リディア王以外の男にその姿を見せぬ王妃。王は誰にも后の美貌を誇ることが出来ぬ為、ギリシャからの客人に王妃の寝室を覗かせる。デカメロンか千夜一夜物語の艶笑譚のような物語が、ギリシャ悲劇さながらの深刻な心理劇となる。リディア王が奇怪な企てに及ぶのは、競技大会でリディアの選手達が敗北し王としての自尊心が傷ついたためであり、その結果誇りを傷つけられた王妃はギリシャ青年に王を殺すことを求め、自責の念に駆られた王は決闘の末倒れ、ギリシャ青年が王となったことで自尊心を償われた王妃は自害する。感情の連鎖がもたらす悲劇。2024/12/05

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