岩波文庫
スキュデリー嬢

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  • サイズ 文庫判/ページ数 110p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003241455
  • NDC分類 943
  • Cコード C0300

出版社内容情報

かつて森鴎外が抄訳した「珠を懐いて罪あり」の完訳である.つぎつぎに起る奇怪な宝石強奪,殺人事件は,パリの貴族や富豪たちを恐怖のどん底に叩きこんだ.迷宮入りを伝えられたこの事件の鍵を偶然つかんだのがスキュデリー嬢であった.サスペンスに富み,ふかく人生の機微をうがった本格的な推理小説である.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

110
ドイツのロマン派の作家ホフマンの傑作。読み出したら、止められなくなる面白さで、これはお勧め。翻訳も読みやすい。14世紀のルイ14世時代のパリが舞台。ルイ14世も印象的な王様として登場する。作家のスキュデリー嬢が、不思議な事件に巻き込まれて、その謎を解いていく。彼女は73歳と高齢だが、優しく思いやりがあり、機知と胆力も備えた魅力的な女性。他にも忘れがたい登場人物が多くて登場してめまぐるしく物語が展開する。特に清廉な心を持ち、自分の愛する女性を守ろうとする青年オリヴィエは、心に残る人物だ。(続きます)2018/01/07

藤月はな(灯れ松明の火)

22
安楽椅子探偵ならばマープルですがこちらは行動型(時代的に自ら行動できにくいけど)のスキュデリー(老)嬢。母性愛と信愛によって真実に迫り誰もが傷つかない方法を模索する嬢がまさに魅力的でした。この小説を映画「第三の男」の全てが引っくり返るようなあの一場面で見せたら面白いだろうなと思います。2012/07/13

syaori

18
面白いです。ルイ14世の時代のパリが舞台です。作家で素敵なお婆ちゃま、スキュデリー嬢が主人公です。この老嬢の家に男が押し入って見事な細工の宝石の入った箱を置いていったことが発端になって事件が起こります。スキュデリー嬢が、訴えを聞かない王様に物語を語って無実の青年の命を救うところは、作家である嬢の面目躍如という感じがあってよかったです。「ダルタニャン物語」の読者としては、3部終了後の話なので、ラ・ヴァリエールが修道院に入っているとかアンリエット様がお亡くなりになっているとか、そういう視点でも楽しめました。2016/03/03

Kouro-hou

9
「モルグ街の殺人」よりも古い推理小説とも言われるサスペンス小説。キュートなスキュデリー嬢(73)が人徳と努力と正攻法で無実の青年を救おうとするのです。この青年が夜中に匕首持って大声出して押しかけてきたり、「言う事聞いてくれなきゃ、家に押しかけて自殺する」なんて物騒な手紙を押し付けてくるというド級の不器用モノなので大変です。犯人も悪逆非道ではあるもの、悪人一辺倒ではないところが事件を複雑にしています。少し古い訳ですが読みやすくてオススメです。2013/07/25

ヴィオラ

6
読メで知って読みたくなった一冊。書かれた時代を考えると、犯罪者というよりは異常者と感じてしまう犯人像は、かなり意外。スキュデリー嬢が、事件を自分で捜査するわけではないので、あまりミステリーという感じはしないです。自分は何故だか、犯罪ノンフィクションのような印象でした。2012/07/20

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