内容説明
「薔薇の花が一つ、手折られました、嵐が花を散らすまえに」―日々に倦んだ小国の公子が、婚礼を控えた清純な乙女に一目惚れして…。啓蒙の雄レッシング(一七二九‐八一)が、恋の情熱を鋭い社会批判とともに描いた「市民悲劇」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
18
公 (しばらくじっと黙りこみ、驚愕と絶望の面持ちで亡骸を見つめたあと、マリネッリに向かって)さあ!(以下略)2016/02/03
きりぱい
4
どちらも横恋慕による悲劇。エミーリアのほうはまだ悲劇ながら、純潔を守って目にもの見せてやったわ的なところがあるけれど、ミス・サラのほうは、マーウッドが悪女すぎて逆にあっぱれというか。 2017/07/07
壱萬参仟縁
4
1755、72年初出。著作権研究のレッシグと勘違いしないように(備忘録)。レッシングは貧家に生まれ、激しい気性にして情熱、機知に富み、辛辣で容赦ない論争家だが賭け事で金策に汲々(324-5ページ)。市民悲劇、との表現(表紙裏)が気になった。愛人のマーウッドの台詞で、「徳だって、対面が保たれていなければ、馬鹿げた、ただの妄想の産物、安心させてもくれないし、幸せにしてもくれない」(209ページ)。世間体と徳か。その塩梅。2013/02/06
putisiyante
1
三浦淳さんの“ドイツ文学の中の女たち“を読んで読み始めた。題名は、語呂がよいのか、聞いて覚えていたが、内容は初めて知った。市民悲劇の名にふさわしい。ゲーテの“若きヴェルテルの悩み“を読んだ時に、現代でもありそうな内容なのに、それ以前に何故なかったのかと疑問に思ったが、あった!レッシング作。しかし、劇用に書かれていて、ゲーテの方が、文学的だと思う。当時の家族、宗教のあり方が良く分かり、啓蒙のために利用されたというのは、納得がいく。2014/05/14
Z
1
近代というのが抑圧を前提とした発話を要請したことがわかった。こういった発想と別のところに小説を求めたい。2014/02/20
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- 和書
- おもしろおかしく生きろ!