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岩波文庫
夜の来訪者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 170p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003229415
  • NDC分類 932
  • Cコード C0198

内容説明

息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し―何度も上演され、映画化された、イギリスの劇作家プリーストリー(1894‐1984)の代表作。舞台は裕福な実業家の家庭、娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪れて、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げ、全員がそのことに深く関わっていることを暴いてゆく…。

著者等紹介

プリーストリー[プリーストリー][Priestley,J.B]
1894~1984。イギリスの劇作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

167
読友の皆様方のお薦めで出会った本。感謝!これまで、プリーストリーの名前すら知らなかった。シェークスピアの国に生れた現代の劇作者(小説も多数あるが)。様々な意味においてhumourに溢れた劇だ。劇中に流れる時間は、見ている観客のそれと同時進行であり、展開はきわめてスリリングだ。そして、第3幕の途中で大団円を迎えそうになった時、結局落ち着くところに…などと思ったところから、実はこの劇の持つさらに高次な凄さが顕わになって来る。そして、最後の最後に、ほんとうに幕が下りる直前に、もう一幕のドラマが幕を開けるのだ。2013/06/12

ケイ

109
再読。プリーストリーが何者かある程度分かってから読むと、ここに描き出されているものは告発とも、階級社会の上にいるものへの警告とも取れる。彼は第二次世界大戦中にラジオ放送を通じて非常に人気があり、また大変に左翼であったようだが、それはこの警部と名乗る人物が明らかにしようとすることや、その際に語ることにみてとれる。また、最後にその動機や正体を考えさせることで、読者がミステリとして読むだけでメッセージ性を意識していなかったとしても、自ずとそちらに向かわせるのではないかと思われ、その出来にはゾッとさせられる。2021/12/28

とよキチ

74
J・B・プリーストリー初読み。《舞台は裕福な家庭、娘の婚約を祝う一家団欒の夜。そこに、警部と名乗る男が訪れて、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げる。そして、その自殺に全員が深く関わっていることを暴いていくが…》◆派手さも無駄も無いストーリーが、劇作家らしく台本調の台詞回しを用い軽快なリズムで綴られる。著者の階級社会に対する嘲りとも言える感情を表層に纏っているが、その裏には人間の暗面の本性そのものが感じられ、背筋が凍った。オススメしたい1冊。 2013/02/11

ケイ

73
多少俗物感はあるが、召使にも横暴ではないし、自分の属する階級では概ね善良に暮らしていると思われるバーリング一家とその娘の婚約者が婚約を祝っている。そこに突然の来訪者。ひどい自殺を遂げた女性がいると告げられるが、みんな心当たりはない。しかし、間接的には出席者全員に咎があったのだ。彼が去ってみんなほっとするが、大人たちとまだ若い者たちとで意見が分かれる。そして、さらに驚く恐怖がふりかかるのだ。時代からか富める者に対する批判が感じられ、警部の話は言いがかりめいてもいて、自殺した女性も脇が甘いように思える。2014/01/23

NAO

49
娘が婚約したことを祝う内輪の祝宴の席に、ふいに現れた警部。最小限の台詞で暴かれていく家族の醜聞。緊迫感が、とにかくすごい。戯曲として読んでも充分に面白いけれど、これはやっぱり舞台で見るべきでしょうね。衝撃のラストは、ブラックユーモア?それともホラー?2015/12/19

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