内容説明
息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し―何度も上演され、映画化された、イギリスの劇作家プリーストリー(1894‐1984)の代表作。舞台は裕福な実業家の家庭、娘の婚約を祝う一家団欒の夜に警部を名乗る男が訪れて、ある貧しい若い女性が自殺したことを告げ、全員がそのことに深く関わっていることを暴いてゆく…。
著者等紹介
プリーストリー[プリーストリー][Priestley,J.B]
1894~1984。イギリスの劇作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
174
読友の皆様方のお薦めで出会った本。感謝!これまで、プリーストリーの名前すら知らなかった。シェークスピアの国に生れた現代の劇作者(小説も多数あるが)。様々な意味においてhumourに溢れた劇だ。劇中に流れる時間は、見ている観客のそれと同時進行であり、展開はきわめてスリリングだ。そして、第3幕の途中で大団円を迎えそうになった時、結局落ち着くところに…などと思ったところから、実はこの劇の持つさらに高次な凄さが顕わになって来る。そして、最後の最後に、ほんとうに幕が下りる直前に、もう一幕のドラマが幕を開けるのだ。2013/06/12
ケイ
112
再読。プリーストリーが何者かある程度分かってから読むと、ここに描き出されているものは告発とも、階級社会の上にいるものへの警告とも取れる。彼は第二次世界大戦中にラジオ放送を通じて非常に人気があり、また大変に左翼であったようだが、それはこの警部と名乗る人物が明らかにしようとすることや、その際に語ることにみてとれる。また、最後にその動機や正体を考えさせることで、読者がミステリとして読むだけでメッセージ性を意識していなかったとしても、自ずとそちらに向かわせるのではないかと思われ、その出来にはゾッとさせられる。2021/12/28
KAZOO
98
この作家は初めてです。ただお気に入りさんのレビューなどを読んでいると面白そうなので手に取りました。戯曲ということで読みやすさとミステリー的な要素があり楽しめます。一人の女性の自殺に様々な人間がかかわっていることが明らかにされていくところが会話形式でやり取りされるので緊迫感があります。日本でも何回か上演されているようですね。2026/03/22
まこみや
94
表紙の「レビュー」にもある通り、「息もつかせぬ展開と最後に用意された大どんでん返し」の文句に偽りはない。事実を指摘されても何も変わらず見て見ぬふりをしようする人と事実を知ったからにはもはや元には戻れないと感じる人の対立は、普遍的なテーマである。そして全てを知って尋問する「グール警部」とは良心の審問官だとひとまず考えておきたい。奈落へ向かって真っ逆様に落ちていくような急展開と鮮かな大逆転に息をのんだ。2025/04/15
ケイ
76
多少俗物感はあるが、召使にも横暴ではないし、自分の属する階級では概ね善良に暮らしていると思われるバーリング一家とその娘の婚約者が婚約を祝っている。そこに突然の来訪者。ひどい自殺を遂げた女性がいると告げられるが、みんな心当たりはない。しかし、間接的には出席者全員に咎があったのだ。彼が去ってみんなほっとするが、大人たちとまだ若い者たちとで意見が分かれる。そして、さらに驚く恐怖がふりかかるのだ。時代からか富める者に対する批判が感じられ、警部の話は言いがかりめいてもいて、自殺した女性も脇が甘いように思える。2014/01/23
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- 週刊エコノミスト2016年11/8号




