内容説明
“詩”は曖昧にあり―シェイクスピアから現代まで英詩を自在によむ革命的な詩論を24歳で出版したエンプソン。彼を担いだ新批評家たちよりも「広く深い社会観を具えた批評の実践」(イーグルトン)である本書、そして曖昧の概念は、20世紀言語学にも影響を与えた。戦前の日本と戦時の中国で教壇に立った生涯も、今、多方面から注目されている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
傘緑
34
「ambiguity」、「曖昧」という曖昧な表現ではなく「両義性/多義性」などとした方が(山口昌男以後の)私としては理解しやすいかな。語学が不得手なので、地口や韻律やらと、原詩の参照に悲鳴を上げつつ、理解はともかく、なんとか読むw ただ「第二の型」の章の最後に挙げられた『マクベス』の引用は、この章のまとめとしてあまりにも的確で、思わず「おおっ!」と洩らしたら、その後に「豊かな意味を含むすぐれた例でこの章をしめくくることができて、わたしはたいへん満足」と、著者のドヤ顔が透けて見える発言wこれぞ引用の愉しみw2016/11/24
壱萬弐仟縁
6
ambiguity(29ページ)。擬人法と似たような「感情的誤謬」[感情を無生物に投射して、物自体が感情をもっているかのように扱う考え方](69ページ)。「人生とは朝であり春であって、冬の前には長い夏が、夜の前には長い一日があるのだというアイロニカルな感覚をもって、人生のはかなさに対処できる」(81ページ)。無常観。306-7ページの文のカタチが面白い。蝶々型になっている。ジョージ・ハーバートの詩「イースターの翼」で。2013/02/22
ラウリスタ~
3
ひどく難しい。英語をかなり高度に理解していないと何をいってるのか分からない。詩って難しいなっと改めて思いました。SVOCってあるけど、詩のなかでは完全無視。andやofといった基本的な単語ほど恐ろしく難しい。2010/09/25
星規夫
0
詩って面白いぞ! 英詩の知識があった方が絶対に面白くなるけれど、わからなくても参考になる。2012/09/11