出版社内容情報
ページを開けばきっと、声に出して読みたくなる――詩人たちの〈歌う喜び〉を感じさせてやまない、イギリスの名詩の数々。一六世紀のスペンサーから二〇世紀後半のヒーニーまで、もっとも愛され親しまれている九二篇を、英語の原詩・和訳ともに堪能できる対訳で編む。日本の読者の理解を支える注釈・解説も充実、待望の新編。
内容説明
ページを開けば、声に出して読みたくなる―詩人たちの“歌う喜び”を感じさせてやまない、イギリスの名詩の数々。一六世紀のスペンサーから二〇世紀後半のヒーニーまで、もっとも愛され親しまれている九二篇を対訳で編む。注釈・解説も充実、待望の新編。
目次
1 ルネッサンス期(エドマンド・スペンサー:「ある日私は浜辺の砂に」;サー・フィリップ・シドニー:「なんと悲しげな足取りで、月よ」 ほか)
2 王政復古から18世紀へ(ジョン・ドライデン:『マック・フレックノー』(第1‐28行)
ジョナサン・スウィフト:シティのにわか雨風景 ほか)
3 ロマン主義の時代(ウィリアム・ブレイク:小羊;ウィリアム・ブレイク:病んだばら ほか)
4 ヴィクトリア時代(エリザベス・バレット・ブラウニング:「あなたをどんな風に愛しているか」;アルフレッド・テニソン:マリアナ ほか)
5 モダニズム以降(ウィリアム・バトラー・イェイツ:湖の島イニスフリー;ウィリアム・バトラー・イェイツ:あなたが年老いて ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
72
シェイクスピアの詩も載っていましたが、イギリスの文化に詳しくない私が、一つだけ挙げるとすれば、ジョナサン・スウィフトの「シティのにわか雨風景」になります。この詩は、人生のいろいろな、けだるさを、上手く言語化していますが、テムズ川の、汚さを描いていて、詩の世界は清潔なだけでなく、不潔さで、リアリティーを出す、という意味で、新鮮に感じました。イギリスの各時代の、名詩が網羅されているので、この機会を入口に、今後、より深く理解していきたいです。2025/06/11
藤月はな(灯れ松明の火)
60
シェイクスピア、キーツ、テニソン、シェリー、ブレイク、バイロン、コールリッジなど。名立たる詩人たちだけでなく、謳っていたとは知らなかった文豪の詩や現代の詩人の作品も原文と共に紹介されています。岩波文庫ならではの註も読んでいて楽しい。しかし、ロバート・ブラウニングの詩は歌われている背景が陰惨なので突然、ホラーに転調するのが心臓に悪すぎる。幻想怪奇風の「非情な美女」や矛盾の対比構造を謳いながら締めが微笑ましい「もし・・・」や人生の皮肉を謳う「老後のラブソング」、「手を振ってなんかいない溺れていたんだ」が好き。2025/03/26
うた
9
英詩の選集には定番かもしれないけれど、シェイクスピア、キーツ、イェイツが一緒になっているだけでも手元に置いておきたくなる一冊。解説で英詩の特徴をまとめてくれている点も、私のような初心者にありがたい。翻訳もつっかえることなく読め、理解の助けになる。原文を読み、訳を読み、また原文に戻ってと楽しむ。最後のヒーニーも瑞々しく好き。2025/01/22
飯田橋
2
詩は一回読んだだけではわからない。何度も味わうことによって面白さがわかる気がする。2025/03/10