岩波文庫
20世紀イギリス短篇選 〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003227022
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

短篇小説の面白さは人生のある局面を鋭く鮮かに切りとって見せる,その技の冴えにあるといってよい.そういう実作にこと欠かぬ現代イギリスの傑作短篇から二十三篇を選りぬいておとどけする.上巻には第一次大戦前から第二次大戦中の,また下巻には五○~七○年代の作品を収めた.どの一篇にも短篇の妙味をたっぷり味わうことができる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

47
これまた、厭なのが出たな・・・。女性間での優越感や僻みが上手く、嫌味な感じに表現されている「レディだけの旅」、寛容で優しい夫が妻へ理想を押し付ける様子とそれを裏切る時の流れが緊迫感を孕む「愛の習慣」の描写は脱帽するしかありません。ラストが不穏すぎる「蠅取紙」がこの後、何が起きたかを考えると怖い・・・。「欠損家庭」は「欠損家庭の犠牲になったから」という理由で子供達を指導しない教師の傲慢さに吐き気がします。2014/11/08

kaoriction@本読み&感想リハビリ中

17
上巻にも増しての短篇小説の醍醐味を堪能。イギリス女流作家、最高!なんと贅沢な一冊か。ジーン・リース『あいつらのジャズ』でガツンとやられ、ウィリアム・サンソム『届かない花束』は僅か2ページでの完成度に驚嘆。エリザベス・テイラー『蠅取紙』、ミュリエル・スパーク『豪華な置時計』、レッシング『愛の習慣』は続けて一気読み。最後、マーガレット・ドラブル『再会』とスーザン・ヒル『別れられる日』の二篇も、短篇ならではであり、現代女流作家ならでは。下巻の方が好み。たぶん、女の人生の局面が多々描かれているから。満足の上下巻。2020/04/10

くさてる

13
どうにも厭な後味が残る作品が多く、読後には「…イギリス…(溜息)」という感想が浮かびました。しかし内容そのものは優れ物が揃った名アンソロジーだと思います。人間同士はすれ違い、うまくいかず、ときにそれぞれの落とし穴に落ちてしまう生き物なのだ。そのなかでも、不吉な予感が高まったところで終わる、テイラー「蠅取紙」、それぞれ女性同士の歪な関係性を描いたマニング「レディだけの旅」ヒル「別れられる日」、イギリスらしいユーモアが光るロフツ「この四十年」が印象に残りました。2015/04/04

有沢翔治@文芸同人誌配布中

12
貧民世界を描いた『あいつらのジャズ』、そしてせせこましくはたらく男が、自分に嫌気さし、逃亡する「脱走」が印象的。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51488551.html2017/07/03

jamko

12
下巻も面白くてほぼ一気読み!とくに冒頭のジーン・リース『あいつらのジャズ』にはがっしり心掴まれた。彼女の他の作品もぜひ読んでみたい。トレヴァーの『欠損家族』はやはり印象的でちゃんと覚えていた。つらい。他はオリヴィア・マニング『レディだけの旅』、ミュリエル・スパーク『豪華な置時計』、ドリス・レッシング『愛の習慣』などもよかったな。そして上巻に比べると時代が違うせいか女性作家の作品が一気に増えたせいか、恋愛の話や女性同士の友情の話も多く読んでて楽しかった!2018/01/12

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