出版社内容情報
シング(1871‐1909)はアイルランド文芸復興活動から生まれた最大の劇作家.「西国の伊達男」は彼の一代の名作で,荒涼たるアイルランドの西海岸にどこからか辿りついた一青年クリスティと野性的でロマンス好きのアイルランド娘ペギーンとを中心に展開される狂躁曲的喜劇であり,その奔放な想像力と旋律的なセリフの美しさとによって色どられる.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひつじ
5
面白かった。特に終わり方が好きだな、言葉一つで狂ってるかそうでないか決められてしまうような、描写から最後の絶対鑑賞者が望んでいるわけではないような、ある種ひねくれた終盤。好きだなぁ。2021/03/07
misui
4
アイルランド西海岸の酒場に、父親を殺してきたという若者が現れる。結婚を間近に控えていた酒場の娘がこの若者と出会い…という話。特筆すべきは「父殺し」が英雄的と言わないまでも男らしさを証明する行為として描かれているところで、現在と異なった価値観に面食らう。ところが、この父殺しは同時に忌まわしい行為でもあって、周囲は持ち上げたり忌避したりと態度がころころ変わる。なにやら訳ありの若者と娘の仲は二転三転し、終幕に向けて狂騒的な盛り上がりを見せる。喜劇なのに民俗社会の怖さを感じずにはいられなかった。2014/10/01
のほほんなかえるさん
0
狂乱喜劇であります!2011/03/04
そーすけ
0
152*旧字体の岩波文庫読書キャンペーン中。そうか、伊達男ってプレイボーイか!2018/07/20