出版社内容情報
「分らぬもんですよ」とは作中に活躍するホテル給仕人のシニカルな人生態度であり,この劇を貫く一条のモティーフである.このモティーフの下に,19世紀末における新旧世代の男女を配して両世代の内面とくい違いを描く.さらに,作者の思想の根幹をなす恋愛哲学から出発する両性の葛藤をも,みごとに劇化したショウ円熟期の傑作.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
讃壽鐵朗
3
ト書きが多すぎて、楽しめなかった2015/01/12
zunzun
2
正直いって、全く面白くない。イギリスの近代社会とそれ以前の人物とをわけてかいているが、それが物語の大きな主題とになるほどでもなく、ピンで軽く刺しただけになっている。現代において読まなければならない作品ともいえず、岩波だから復刊したのだろうが、復刊する価値もない。2023/12/13
石光 真
2
バーナード・ショーのコメディ(茶番劇)。最近の上演の動画を見たが、ブリテン人が見て今も楽しめる台詞なんだと思う。逍遥の弟子であり、ショーの専門家である訳者が楽しんで訳したのも解るのだが、日本語だけ見て意味が取れないところが多すぎる。90年経っても新訳が出ていないのは、この作品がピグマリオンと違って過去のものだからなのか、戯曲の翻訳が難しいからなのか。松井須磨子たちがこれを台本にして演じたなら笑えないと思ったのだが。鬘ものの翻訳台本について調べたくなった。2023/05/25
まるめろ
1
喜劇。発行された時代では風刺だったのだろう。純粋に喜劇としては今でもそれなりに面白い。2020/02/07
takeakisky
0
潑剌とした台詞にぐんぐん引き込まれる。クランドン(クランプトン)一家とブーン一家。両家なかなか甲乙つけ難い。父母の別居で、父を知らずにマデイラで育った三人。18年振りに英国に帰郷。流行らない歯科医のヴァレンタインとその家主ファーガス・クランプトン。クランドン一家が滞在しているマリーンホテルのスーパー給仕ウォルター、その子ブーンは勅撰弁護士。ヴァレンタインとグロリアの恋をとおして語られる夫と妻の関係。2024/09/13
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