• ポイントキャンペーン

岩波文庫
骨董

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 201p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003224434
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

本書は日本古来の怪異譚による創作翻訳9篇をあつめた「古い物語」および「或女の日記」以下11篇よりなる小品集で,「怪談」とならび称されるハーン独自の日本詩曲である.ここに東洋精神との妖しき契合を示したハーンの思想的風貌をみることができるであろう.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クナコ

13
初読。小泉八雲ことラフカディオ・ハーン著。著者の本は「怪談」既読。著者が外国人としての目線から、日本の奇談、怪談、風俗について一部文学的創作を交えながら紹介する。本書は「怪談」と同様に元々日本向けの出版ではなく、著者の母国語の英語を用いて諸外国に日本のことを紹介する意図を持って書かれたもの。私が日本人だからか、著者のトピックの選び方に一冊の本としては非統一な感を覚える。随筆付き怪談収集本といったところか。後半に現れる著者の西欧東洋入り混じった死生観などは理解しにくいところもあったが概ね興味深かった。2020/01/15

Tomoko.H

8
言わずと知れた怪談(古い物語)は古典からとっているけど、解説に少し載ってる原文_このそっけなさから、読みやすく味わい深い作品にしたのは素晴らしい。(旧字体なので漢字が難しいけど。)エッセイ部分からは、繊細で優しい筆者の心情や、宇宙観が読み取れる。再読だけどやっぱりいいね。絶版なの?!現代仮名遣いで改版すればいいのに。2018/06/20

あかつや

6
ハーンの代名詞怪談9編と日本や日本的思想などを描いた小品が12編。怪談はもちろんよかったが、何より一番グッと来たのは「或女の日記」。これは題の通りとある日本人女性の日記という形式のもので、怪談じゃないのだけど、怪談の直後に掲載されていて、これも怖い話じゃなかろうかとビクビクしながら読んだ。中身は不幸な顛末をたどる女性の日常がつづられている。恐れるようなものじゃないけど、不穏な影がたっぷりでやっぱり怖い。そして悲しい。ハーンは「ありふれた」「日本の生活」と言うけど、時を隔てた現代の日本人にとっては驚愕だわ。2019/05/18

3
怪談物の拾遺九篇は「幽霊滝の伝説」以外どれも単調で『怪談』に収められた話には劣る。本書の白眉は「或女の日記」で、三人の子が夭折した母の悲哀を淡々と訳している。他はハーンの哲学的思索が散文的に表現されていて、宇宙的な壮大な思想、スペンサー思想と仏教的輪廻観が入り混じった哲学が語られる。それらの詳しい理解は難しいが、ハーンの文章には遠い先祖代々の記憶や経験がなんとなく伝わるという感覚が共通していると感じた。その他「蛍」、愛猫の話「病理上の事」が面白い。2023/04/19

コルカロリ

1
「夢を啖らふもの」が大好きで、これの収録された骨董をまるっと読みたくなって、ようやく読み終わった。「夢を啖らふもの」は骨董の最後に収録されているのだけれど、最初は怪談が何編か綴られ、「蛍」~「草雲雀」あたりは輪廻転生の話を交えた仏教の話が続く。さいごの「夢を啖らふもの」で、怪談と仏教を交えた話がやってくる。「夢を啖らふもの」が骨董というタイトルの本の最後を飾る集大成だったことを改めて知れたので、通し読みしてよかった。しかし八雲が愛したものは、ほんとに今の日本人から失われたなあ。蛍の話…3千匹が想像出来ない2019/08/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/169116
  • ご注意事項