出版社内容情報
20代前半の若きディケンズ(1812―70)は,見聞した風俗のスケッチを新聞,雑誌に発表,好評で迎えられ単行本『ボズのスケッチ』となった.作家ディケンズの誕生である.本書にはそのうち‘Tales’篇全12篇を収録.(全2冊)
内容説明
二十代前半の若き新聞通信員ディケンズ(一八一二‐七〇)は、見聞した町の風俗のスケッチを新聞・雑誌に発表、好評で迎えられ単行本『ボズのスケッチ』となった。作家ディケンズの誕生である。本書にはそのうちTales篇全一二篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らい
6
今年はディケンズ読もうと思い、まずはデビュー作。どの作品も虚栄張ったり、身分違いな恋をして、滑稽な場面が展開されていく感じ。後書きでディケンズの青春期を知ったら、華麗だけど色白そうな青年が結局恋がうまくいかないシーンが多いのはなるほどと合点がいった。わけわからんこと言ってるのに、「なるほど」「要点を得てますな」とか意味不明な応酬が続くのユーモアがあって面白い。人物描写もだけどロンドンとか土地をかく描写が好きだった。2024/03/22
ゆかっぴ
6
肩肘はらずに面白く読めました。当時のイギリスの生活の一端を覗き見たような感じです。いろんな人物の描写が面白いです。2018/05/06
qoop
4
著者の処女作品集のうち、短編小説のみを訳出した二分冊の一。当時の人心、世相風俗を著者らしいデフォルメの効いた筆致で写し取ったユーモラスな作品が多いものの、一番印象に残ったのは社会の下層を生きる人の悲劇を書いた〈黒いヴェールの婦人〉。作風の振れ幅は大きいものの、この両極が一つに収まるのがのちの長編群だろう。2018/04/04
あくび虫
3
旅行記よりもあっさりしています。小説としては、普通に面白い、くらいの印象でしたが、イギリスの空気感が好きなら堪らないはず。ーーオチの持っていき方が日本人にはないセンスです。なぜこれでまとめられるのだろう、と不思議になる。2017/01/09
壱萬参仟縁
2
ミスター・ジョン・エヴェンソンは「むっつりしていて、現状不満型」(70ページ)という性格は評者も似ている。そしてかてきょ宅生徒もそんな感じだ(苦笑)。類は友を呼ぶかも。今朝読んだ本にもあったように、本書でも風景画が登場(71ページ)。19世紀とはそういう共通点が英国にはあったのだと実感。ヴィクトリア朝の俗物根性における文学の意義。並行していたのだ。「世間には儲かる仕事、辛い仕事、さまざまな生活があって」(280ページ)人々の記憶からは事件は風化する。人生模様はさまざまなれど、頭の片隅に留めることも大事か。2013/01/22
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