出版社内容情報
本書は,モームが世界の10大小説の1つに選び,ディケンズ(1812-1870)自身も「自分の全著作中,一番気に入っているもの」と語った作品.特色ある人物が多数登場し,ユーモアとペーソスが全篇に満ちあふれている.新訳.(全5冊)
内容説明
本書は、モームが世界の十大小説の一つに選び、ディケンズ(一八一二‐一八七〇)自身も「自分の全著作の中で、一番気に入っている」と語っている自伝的作品である。個性的な登場人物が多数登場し、ユーモアとペーソスが全篇にわたって満ちあふれている。新訳。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
130
母と乳母の愛情に育まれたデイヴィッドは冷酷な継父の折檻に反抗して寄宿学校へ送られる。著者お気に入りの半自伝的小説。母の愛情や財産を継父と争う背景には世襲制廃止が浮き上がり、本作以降子供の遺産相続放棄が重要モチーフになる点で興味深い。子供を顧みない再婚への切り込みはブロンテやサッカレーへのアンチテーゼにも映る。自立心が育つ間もなく排斥されれば反抗も誇りではなく恥辱になる。怒りの矛先は無思慮な実親には向けられず一貫して継父。家族への情緒的絆を明確化する一方で父性の喪失や希求はデイヴィッドの行く末に影を落とす。2017/08/20
syota
32
第1巻はデイヴィッドの少年時代で、冷酷な義父によってひどい境遇に追いやられる。物語としてはまだ導入部といった趣で概ねネクラ、大きな盛り上がりもないが、ウィットのきいた読みやすく軽快な文章と、ところどころに挿入された心優しい人達との交流が息抜きになって、暗澹たる気持ちにはならない。登場人物の中では、女中のペゴティーとミコーバー夫妻が魅力たっぷりで、まだ独り立ちしていない主役を完全に食ってしまっている。ただ、世間知らずのデイヴィッド坊やも次第にたくましくなってきたので、次巻は期待できそう。2016/10/18
きゃれら
28
新潮文庫で読んだ記憶があり、再読のつもりだったが、思っていたのと全然雰囲気が違い、他の作品と間違えたかと思ってディケンズ著作集を見なおしたくらい。読んだと思ったんだけどなあ。この第1巻は、自伝的ともいわれる少年時代のとてもつらい境遇のお話。読みながら感じたのは、ばかみたいだが、ディケンズはすごいということ。主人公の過酷な運命がこのあとどう展開するのか、続きを読まずにはいられない。2023/07/02
fseigojp
25
とくに血沸き肉躍る話ではないけれど継父と折り合いがわるくて実母もなくなったら。。。決して昔々の話ではない2017/06/30
ごへいもち
25
面白い。そして挿絵が本当にいいなぁ。2012/09/29