出版社内容情報
アーサー王,トリスタンとイゾルデ,パーシヴァル等々,オペラの主人公にもなって有名な王や騎士,貴婦人たち.彼らは騎士道の典型――力,勇気,謙譲,忠誠,憐憫,貞淑等の諸徳を具備した人間として登場する.『ギリシア・ローマ神話』で神々の世界をいきいきと伝えた作者は,本書で中世の人々をも鮮やかに現出させている.
内容説明
アーサー王、トリスタンとイゾルデ、パーシヴァル等々、伝説やオペラの主人公として活躍する王や騎士、貴婦人たち。彼らは騎士道の典型―力、勇気、謙譲、忠誠、憐憫、貞淑など諸徳を具備した人間として登場する。『ギリシア・ローマ神話』で神々の世界をいきいきと伝えたブルフィンチ(1796‐1867)は、本書で中世の人々をも鮮やかに現出させている。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
36
アーサー王伝説の概略が分かる本。序説として騎士について、アーサーの思い出が伝説になっていった過程、アーサーの時代までの神話的歴史の説明があるので「騎士道が世界の崇拝を集めていた時代」の人々がアーサーや彼の騎士たちに何を求めていたのか考えながら読むのも楽しいです。アーサー王伝説のバリエーションも含まれるウェイルズの民話『マビノジョン』も収録されていて、魔法や怪物が多く出てくるこちらは騎士道物語というよりおとぎ話のようでした。訳者(野上弥生子)の無駄のない流れるような文章も楽しめるので興味のある方はぜひ。2016/07/06
sankichineko
20
物語の原型を読んだという達成感があります。日本の小説では、「竹取物語や金太郎について読者が知っているのは当たり前」という前提で書かれているのと同様、欧州では「アーサー王やロビン・フッドについて読者が知らないはずがない」という前提なのだとおもいます。これで後世の作家の作品を読むときも、より深く理解できるかなと期待しています。2019/05/23
泉のエクセリオン
11
中世の頃物語。何処かで聞いた名前が多く登場する。アーサー王、聖剣エクスカリバー、魔術師マーリン、ガウェイン、グゥイネヴィア姫、湖の騎士ランスロット、円卓の騎士、トリスタンとイゾルデ、聖杯(サングリアル)等・・である。一応アーサー王の死まで書かれているが、話としてはそこまで起承転結に富んでおらず、そこまで面白いわけではない。ただ、世界最古の騎士物語の一つということで大変興味深い。個人的には聖書を読んでいる感覚に近いと感じた。アーサー王の話は元ネタよりも後世の作家たちが書いた物語のほうが面白いと思った。2024/08/12
たみ
11
イギリス・アイルランド等のブリテン諸島を中心とした物語。アーサー王やマーリン、ラーンスロットなどが登場、ちょこっとロビン・フッド。名前ごとにストーリーが組んである短編集のような趣きです。アーサー王の物語はいろんな土地で様々な人が伝えていたようで、そのせいか冒険風、訓話風、驚くほど宗教色が強かったりと少しずつ味わいが違う。アーサー王とラーンスロットと王妃の三角関係がわかりにくい。よく肉を食べてる。肉肉肉肉酒酒酒酒パン、肉食文化だなあ。トリストラムとイゾーデが読みたかったので満足。彼らの不倫はわかりやすい。2014/10/18
シャル
9
アーサー王と、その騎士たちの物語。どちらかと言えばアーサー本人よりも騎士たちの物語が中心で、アーサー王という存在はその武勇譚のための舞台装置という印象が強い。愛、そしてなによりも名誉のために生き、戦う騎士たちの物語は、伝承を元にしているためか、どこか牧歌的だったり、神話じみていたり、寓話のようであったりと掴みどころがなく、年代もバラバラのためその印象がますます強くなる。特に焦点が当たるのがランスロットで、もっとも騎士らしい騎士でありながらアーサー、そして自らをを破滅に導いてしまうのがなんとも虚しい。2014/10/18
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