出版社内容情報
「あゝ,東は東,西は西,両者出会ふことあらず」の句によってあまりにも名高い「東と西の歌」をはじめ,詩集「兵舎のばらーど」(1892)などから30篇を選訳.ヴィクトリア女王治下の大英帝国に生きたキプリングは,いわば時代の代弁者として詩や小説に雄々しい行動の世界をロマンティックに描いて一世を風靡した.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitch
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もし人が皆冷静さを失いお前を非難したとしても、 冷静さを失わずにいられるなら もし皆がお前を疑っているときに自分自身を信頼できて、 それでいて相手を赦すことができるなら もしお前が待ち続けることができるなら あるいは、もし嘘をつかれても嘘で答えることをしなければ あるいは、もし憎まれても憎しみ返すことをしなければ 自分をよく見せようとせず、知識をひけらかさなければ もし夢見ることができて、 その夢に支配されなければ もし考えることができて、 考えのための考えに終わらなければ もし成功と災難の両者に直面で2016/05/03
うにこ。
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日本で初めてキプリングが紹介された本。 1936年刊です。時代背景のせいかな、それとももともと多いのかな、戦争詩ばっかりです。 軍隊の下士官や歩兵の詩。あとジプシーとか。 すぐに歌にできそうな、音読するのが楽しい詩集。 「靴―靴―靴―靴―上げちゃ下げ下げちゃ上げ 戦じゃ除隊になれないな!」 のフレーズが今すごいお気に入りで、暇さえあれば口ずさんでます。2005/11/10
takeakisky
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詩を読むには能力が足らないと常々思っているので、大体避けて通っている。詩人の文章はこよなく好きだけど。で、つい買ってしまったキプリング。地上より永遠にの所為。訳詩ながら、その力強さ、そのやるせなさ、そして深い哀しみ。社会の最下層。兵士たち。社会の不当な抑圧を、憤り、拗ね、しかし笑い飛ばす。兵隊にしか分からない言葉。戦友への無償の愛、偉大な敵への尊敬。無いようで溢れる感傷。陽気な英国の歩兵。悲しい英国の歩兵。全ての感情が刺激を受け、膨らみ、はじけそうになる。彼は普通人の友にして、然も王等と共に歩む者。至言。2024/09/11