岩波文庫
ジョウゼフ・アンドルーズ〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 353p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003221167
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

作者が敬愛するセルバンテスの『ドン・キホーテ』にならい、主人公ジョウゼフと愛すべき好人物アダムズ牧師を中心に繰り広げられる珍道中。「人生はいたるところに、正確な観察者には、滑稽なものを提供している」―フィールディングがこの作品で目指したもの、それは“散文による喜劇的叙事詩”を書くことであった。

著者等紹介

フィールディング,ヘンリー[フィールディング,ヘンリー][Fielding,Henry]
1707年4月22日、南英の西方にあるサマセットシャの、シャーパム・パークという片田舎に生まれる。1719年イーストン校に入学。1724年退学。1728年処女作戯曲『恋の種々相』が、ロンドン第一の劇場ドルアリ・レイン座で上演される。1742年小説処女作『ジョウゼフ・アンドルーズ』出版。1749年第二の小説で、十八世紀の英国の代表的傑作とされる『トム・ジョウンズ』十八巻が出版。1754年10月8日リスボンで客死(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

354
上巻よりは作品世界に入り込めたが、いかんせん十分に楽しむとまではいかなかった。自分は18世紀イギリス小説には向いてないのだろうかとも思う。次々と起こる事件の展開にも目まぐるしさを感じるようでは。二転三転した挙句に迎える大団円もまた納得するよりは古めかしさの方が気になった。ただ、イギリス風の古典的なユーモアの精神と、階級社会が揺れ動く時代の蠢き。また、それにも関わらず厳然と今も残る階級社会イギリスの頑固さ(それはいい意味でも悪い意味でも)に思いを馳せることになった。2019/01/12

NAO

51
ジョウゼフの旅のおとものアダムズ牧師は、物忘れが激しく、事あるごとに問題を起こし、主人公のジョウゼフよりも存在感を発揮している。最後に夫とともに現れてジョウゼフとファニーの結婚を身分違いだと大反対するパミラは、本編のつつましさはどこへやら、今の身分を鼻にかける高慢な婦人になっているというのが、パロディとしてのオチ。ジョウゼフとファニーの秘密が最後に明かされるというのがもう一つのオチになっていて、最後までおもしろく読めた。この作品中のパミラよりファニー方がパミラっぽいというのも、なかなか芸の細かさを感じる。2016/03/29

テイネハイランド

19
下巻の最後に原著者序が収録されており、「後者(道化)は常に奇怪なもの、不自然なものの陳列であり、(以下略)、驚くべき馬鹿々々しさから生ずるのにたいし、前者(喜劇)においてはわれらは常に自然に忠実であらねばならない。」と著者はいう。自身の小説は、道化ではなく喜劇的なものと自画自賛しているのだが、正直にいって私にはこの小説は誇張要素が多すぎて素直に楽しめなかった。小林信彦は「小説世界のロビンソン」でこの本を絶賛しているらしく、自分と意見が違うのでどのように褒めているのかその内容が知りたくなった(G1000)。2016/08/10

フリウリ

15
ジョウゼフとアダムズの二人旅は上巻終わりからジョウゼフの恋人ファニーを加えた三人旅となり、「おかしな二人組み」の構成の旨味はますます見えなくなりますが、第三巻冒頭(つまり下巻冒頭)では、著者によるドン・キホーテ讃歌があります。小説としては、本筋とも主人公とも関連がない逸話がポンポンと放り込まれて冗漫。18世紀前半の「小説」ジャンルの嚆矢といわれているそうで、その意味では読むに値しますが、小説本体としてはそれほどではないかな。ドン・キホーテが偉大すぎるのでしょう。1742刊。62024/06/06

viola

14
なんじゃこの展開は―――――っ!と叫びたい。なんなのこの作品は。面白いのか、面白くないのか。フィールディング自身の力量は正直あまり感じられないのですが『パミラ』のパロディと考えると結構笑える。でも、これ、結構誰にでも書けそう。私はパロディを期待して読んだので上巻途中から下巻までが退屈でしたが、その逆という方もいらっしゃるようで面白いものですね。色んな意味でめちゃくちゃなのだけれど、そのめちゃくちゃ具合が面白い・・・・?ファニーがかなりパミラっぽいですよね。2012/08/04

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